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2021.10.04

# 看板# 製品# その他

【決定版】看板設置トラブルを回避する!失敗しない看板会社の選び方

店舗や施設へ看板を設置する際、どの看板会社が適切か、多くの看板会社の中から選定する仕事は極めて難しいと言わざるを得ません。
これは、看板会社に求められる要件が明らかになっていないことに起因しており、先方の担当者の人柄、看板会社の実績や見積金額から、類推し決定するしかないのが実情です。
本記事は、屋外看板設置工事の計画段階から保守運用に至る各段階におけるトラブルや注意点を通して、看板会社に求められる要件を明らかにする事を目的としています。皆様が看板会社を選定する際、本記事の内容がお役に立てば幸いです。

看板会社の近年問題になっているトラブルの事例

トラブルその1:まさかの看板事故!設置した看板が落下してしまった

看板設置会社側の設置ミスで看板が落下して破損してしまった!万が一にも看板の落下事故などで人を怪我させてしまった場合は設置者責任を問われることになります。信頼できる看板設置会社であったとしても看板の落下や劣化はどのくらいの期間保障されるか、保証期間内に落下した際はどのような対応をしてくれるか、怪我人が出てしまったらその賠償はどうなるのか等確認しておくと安心です。

トラブルその2:設置した看板が条例違反で、撤去しなくてはならない

国土交通省制定の屋外広告物法に基づき都道府県や市町村などの各自治体は屋外広告物条例を定めており、屋外広告物の掲出には、一部の適用除外物を除き各自治体の許可を得る必要があります。許可期間満了後に継続し掲出する場合、継続許可申請書で許可を得る必要があります。条例によって美観地区や禁止地域に指定されている場合には設置できません。事前に設置が可能か確認が必要です。屋外広告物の掲出にはそれに応じた許可届を申請する必要があり、それらの手続きを代行してくれる業者もありますので、面倒な場合は看板設置会社に依頼するのも良いでしょう。

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トラブルその3:未登録会社・未資格者による看板設置

看板の設置工事を行うには屋外広告業の登録が必要です。近年、未登録の会社による条例に沿わない看板の設置や看板の落下・倒壊などが問題となっています。万が一看板の落下事故などで人を怪我させてしまった場合は設置者責任を問われることになります。看板設置を依頼する場合は、設置対象地域の管轄行政で屋外広告業の登録を行っている会社かどうかを確認することで、安心・信頼できる会社か判断できます。
 

【決定版】看板会社の選び方

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デザイン・設計フェーズ

看板を製作する前に、看板の意匠デザインや構造に関する設計図を作成する必要があります。
 まずデザインに関してですが、設置するエリアによって、屋外広告物条例や景観条例により、色やサイズ・設置高さに制限がある場合があります。屋外広告物条例への対応は、国土交通大臣の認定資格である屋外広告士の専門領域です。まずは、看板会社の担当者が「屋外広告士」の資格を有しているか確認が必要です。また、実際に看板を設置する場合、屋外広告物設置許可申請の上、設置許可を得る必要がありますが、こちらも屋外広告士の専門領域です。
 続いて、設計です。屋外広告物の高さが4mを超える場合、建築基準法の定めに則り、着工前に工作物確認申請を行い確認済証の交付を受ける必要があります。また、工事完了後には完了検査を行い、検査済証の交付を受ける必要があります。このようなケースでは、第三者専門機関の確認・検査を受けますので、構造上信頼できると言えます。万が一、検査済証の交付を受けていなかった場合、違法工作物状態となり、将来的に既存構造を再利用しての改修等が不可となります。
一方、第三者機関の確認・検査が不要な場合は、構造設計は看板会社に一任されます。仮に、強度不十分な看板を設置してしまった場合、落下事故に繋がりかねません。
つまり、看板会社の構造設計能力の確認は、看板会社選定における重要なポイントの一つです。
 看板会社の構造設計力を確認するために、建築士の資格を有する設計者が在籍しているか、又は看板会社が一級建築士事務所として登録されているか確認が必要です。
 もちろん、看板会社のホームページやパンフレットなどで、設置を希望している看板と同タイプの実績が豊富にあるか確認することも有用です。

試作・製作・施工フェーズ

実際に設置する看板の製作を行う前に、試作品を製作し、イメージと実物(日中・夜間)の間にギャップが無いか確認を行う必要があります。大型サインの場合、検証を行う環境が用意出来るかがポイントになってきます。製作・設置対象の看板を実際の設置環境に近い状況で検証を行うことが出来るか看板会社へ確認が必要です。
 続いて製作です。製作フェーズにおいては、製品の品質を担保する必要があります。自社にて製作工場を持っていれば品質に対する客先ニーズがダイレクトに伝わりますが、協力業者での製作になれば、コスト優先になりがちが想定されます。特に、高所に設置する大型看板は、品質不良が甚大な事故に繋がる可能性がありますので、非常に重要なポイントです。看板会社の品質に対する取組を確認するために、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001の認証を取得しているか、またはそれに類する仕組みが構築されているか看板会社へ確認が必要です。
 最後に施工です。施工に関しては、法的な側面と技術的な側面での確認が必要です。まず、屋外広告物の設置工事を行う会社は、設置対象地域の管轄行政より屋外広告業許可を得ている必要があります。また、必須ではありませんが、施工技術の信頼性を確認するために、国土交通大臣より建設業許可を受けているか確認することをお勧めします。
 製作と施工に関しては、特に短期間で多くの看板設置工事を実施する必要がある場合は、看板会社の製作キャパシティと施工キャパシティを確認しておく必要があります。

運用フェーズ

屋外広告物は、設置したら終わりということはなく、安全面・美観面・法適合面において継続的な管理運用が必要です。
 屋外広告物設置許可を得た物件に関しては、管轄行政の定める期間毎に屋外広告物継続申請を行う必要があります。看板会社が責任をもって、許可期限前までに点検実施と継続申請を行うことができる情報管理の仕組みを有しているか確認する必要があります。
 一方、屋外広告物設置許可申請が不要な物件に関しては、定期的な点検と必要に応じたメンテナンスが必要になります。状態に問題が無かった場合でも、3年に1回程度の点検は必須です。看板会社が責任をもって、設置日・点検日・点検結果に応じた定期点検計画を立てることができる情報管理の仕組を有しているか確認する必要があります。
 今まで触れませんでしたが、看板会社が提示する見積金額は看板会社選定の重要項目の一つです。しかしながら、見積範囲をどのように設定するかによって、金額が大きく変わってきます。看板の設置だけでなく、継続申請や定期点検も加味された10年程度をカバーした見積範囲とされることをお勧めします。敢えてこのように設定することにより、設置して終わりではなく、確実な運用まで担保した契約を結ぶことが出来るでしょう。

まとめ

看板会社を選定するにあたり、最低限確認するべき要件を改めて以下に列記します。

<法令遵守>
・屋外広告士が在籍
・設置対象地域の屋外広告業許可

<品質>
・建築士の資格を有する設計者が在籍 又は 看板会社が一級建築士事務所として登録
・検証環境
・ISO9001の認証
・建設業許可
・設置を希望している看板と同タイプの豊富な実績

<運用>
・継続的な保守運用のための情報管理システム

<比較検討>
・見積金額 (*見積範囲は記事記載の通り)
・製作キャパシティ
・施工可能エリア・施工キャパシティ


 繰り返しになりますが、特に設置後の保守運用に関しては、入念に確認をして頂ければと思います。看板設置者と看板工事会社の間で責任の所在が曖昧になり、保守運用がおざなりになるケースもありますので、選定の初期段階から注意して頂ければと思います。
 あとは、上記を満たす看板会社の中から、貴社の優先順位に従って、最終選定をしてください。これで、選定プロセスが比較的シンプルになったのではないでしょうか。


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