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2022.07.12
# 看板# 工事# その他
守るべき看板設置のルール【法令・許可申請・管理義務】
「看板(屋外広告物)」の設置にあたり、さまざまなルールが存在していることはご存知でしょうか?生活に必要な情報を提供し、都市の景観をかたちづくる重要な要素である一方、無秩序に増えれば街や自然の景観との調和が崩れ、適切に管理・設置されなければ危害を与える恐れもあります。そのため都道府県や市町村など各自治体は、国土交通省が所管する屋外広告物法に基づき、屋外広告物条例を定めています。
「屋外広告物」とは |
常時又は一定の期間継続して屋外で公衆に表示されるものであって、看板、立看板、はり紙及びはり札並びに広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出され、又は表示されたもの並びにこれらに類するものをいいます。※屋外広告物法:第1章第2条より |
屋外広告物にあたるもの | 屋外広告物にあたらないもの |
屋上看板、建植看板、壁面看板、突出看板、電柱及びこれに類するものを利用する広告物、バス等の車体を利用する広告物、アドバルーン、広告幕、簡易広告物(はり紙、はり札、広告旗、立看板 等) など ※広告表示内容は個人及び法人の名称、商品名、商標、ロゴマークなども含み、表示内容の営利性や 公共性を問いません。 | 屋内に表示されるもの(窓ガラスに内側から表示されているもの 等)、音響によるもの、街頭で配布されるチラシ、駅の改札口から内側の利用者に向けて表示された広告 など |
以下の4つの要件を満たしていれば、表示内容が営利目的の商業広告であるか否かに関わらず、また、設置される敷地が自己所有であるか否かに関わらず、屋外広告物に該当します。
(1)常時又は一定の期間継続して表示されるものであること
これは“定着して表示されているもの”に限られるという趣旨です。つまり、電柱や塀に貼られている(=定着している)ビラやチラシは屋外広告物に該当しますが、街頭で配布されている(=定着していない)ビラやチラシ、音響による広告などは屋外広告物に該当しません。また1日1時間でも継続して表示されればこれに該当します
(2)屋外で表示されるものであること
“屋外で表示されるもの”とは、該当する広告物が建物などの外側にある(※1)ということです。たとえ屋外の人に向けた広告物であっても、ショーウィンドーの中にあるPOP(※2)や、自動車・バスの内側の窓ガラスに貼付けたステッカーなどは屋外広告物には該当しません。 (※1)キャノピー形式の建屋の場合、キャノピー下は「屋内」・「屋内だが屋外から視認できるので屋外扱い」など行政ごとに見解が異なる場合もあります。(※2)建物の外からしかアクセス出来ないショーウインドーは屋外広告物に該当する可能性があります。
(3)公衆に表示されるものであること
“公衆に表示されるもの”とは、たんに不特定多数に対して表示するという意味ではありません。駅・乗船場・空港の改札口の内側の利用者に向けてなど、特定の者のみを対象にして表示された広告は、屋外広告物には該当しません。また建物の外側に表示されてあったとしても、周りに閉鎖的な空間があり、そこに向かって表示されているようなものであれば“公衆に表示されるもの”とは言えません。
(4)看板、立看板、はり紙、はり札、広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出され、又は表示されたもの並びにこれらに類するものであること
もともと広告物の表示又は掲出の目的がない煙突や塀、工作物とは言えない岩石や樹木だとしても、これらを利用し一定の観念やイメージ(文字で表示されていない絵、写真など)を伝達していれば屋外広告物に含まれます。
看板(屋外広告物)の設置に関わる法令・申請
これらは「良好な景観の形成」と「風致の維持」および「公衆への危害防止」の観点からを定めたもので、看板(屋外広告物)の所有者は、各自治体が定めた屋外広告物条例や関係法令を遵守しなければなりません。知らずに違反してしまうと後から改修や撤去を命じられる可能性もありますので、必ず守りましょう。
屋外広告物許可申請
景観を維持するため、設置する地域、設置する広告物の種類により、表示面積・高さ・色彩等、規制内容が細かく決められております。基準に適合しているか審査を受け、工事が完了したら完了報告を行います(原則表示不可の禁止地域や申請が不要な除外規定もあります)。また許可には有効期間があり期間を過ぎて表示する場合は「屋外広告物継続申請」が、表示面積や表示内容を変更する場合は「屋外広告物変更申請」が必要です。許可証が下りなければ、屋外広告物を表示してはいけません。
<新規申請の流れ>
1)企画・立案・規制調査(設置場所・大きさ・色など)
2)許可申請書の提出および審査
3)許可申請手数料納付
4)許可
5)許可証・許可済シール受取
6)設置工事
7)完了届・完成写真・許可済シール貼付報告等提出
<継続申請の流れ>※必ず許可期間満了日前に申請が必要
1) 許可期間満了通知書(許可期間満了の約1ヶ月前)※通知の発送を中止している自治体もあるので要注意(広告主の自主的な申請管理が必要)
2) 広告物安全点検の実施 ※不良個所があった場合、是正しないと許可が下りない
3) 許可申請書の提出および審査
4) 許可申請手数料納付
5) 許可
6) 許可証・許可済シール受取
7) 許可済シール貼付報告等提出
また許可を受けた看板(屋外広告物)には、許可証とともに「屋外広告物許可済シール(標識票)」が交付されます。このシールは、地上設置広告物(サインポール等)の柱や、広告物直下又はその付近の壁面やガラス面や、建物の出入口付近等、見やすい箇所に表示する必要があります。貼付ことで当該広告物や店舗が設置許可を受けている事の証明になります(屋外広告物条例により、このシールの貼付と報告書提出が義務付けられています)。
シールが複数枚ある場合は、一箇所にまとめて貼付することで、あとの証拠写真撮影の手間が省けるかもしれません。すでに許可期限が切れている古いシールについては、その上に新しいシールを貼付しても剥がしても問題ありません。※この制度は2009年1月19日より導入されました。
屋外広告物法 |
この法律は、良好な景観を形成し、若しくは風致を維持し、又は公衆に対する危害を防止するために、屋外広告物の表示及び屋外広告物を掲出する物件の設置並びにこれらの維持並びに屋外広告業について、必要な規制の基準を定めることを目的とする。※屋外広告物法:第1章第1条より |
屋外広告物許可申請 | 屋外広告物を表示する場合、原則として許可申請が必要 |
申請先 | 都道府県または市区町村(政令指定都市・中核市・景観行政団体) |
許可までの期間 | 1週間~1ヶ月程度 |
申請有無の判断基準 | 看板の総面積(各都道府県市条例により異なる) ※参考例:東京都…許可区域において表示面積合計が10㎡以下の場合は許可不要。 許可は不要でも管理義務がある事には変わりません。 |
新規申請 必要な書類 ※各自治体によって異なる | 1) 申請書類一式(申請書、委任状) 2) 屋外広告業登録通知書 3) 屋外広告物管理者の資格証明書の写し(高さ4m超えなど一定規模を超える広告板を設置している時) 4) 付近見取図(設置場所を中心としてその周辺を示した地図) 5) 配置平面図(敷地の境界、広告物の設置位置が確認できるように) 6) 建物立面図(屋上広告・壁面広告・突き出し広告等、建物に設置する場合) (建築物全体の寸法と設置位置が確認できるように) 7) 広告物意匠図(広告物のデザイン・面積などが確認でき、着色したもの) 8) 広告物構造図(広告物本体・基礎の構造、材質、建築物への取付方法など) 9) 土地使用承諾書(他の人が所有する土地・建物に表示などする時) 10) 他法令の許可書写し(工作物確認済証、道路占用許可書等必要に応じて) 11) 返信用封筒 2 通(手数料納入通知書と許可書類を郵送で受け取る場合のみ) |
継続申請 必要な書類 ※各自治体によって異なる | *印の書類は、変更ない場合自治体によっては省略可 1) 申請書類一式(申請書、委任状) 2) 屋外広告業登録通知書* 3) 屋外広告物管理者の資格証明書の写し(高さ4m超えなど一定規模を超える広告板を設置している時) 4) 付近見取図(設置場所を中心としてその周辺を示した地図) 5) 配置平面図(敷地の境界、広告物の設置位置が確認できるように) 6) 建物立面図*(屋上広告・壁面広告・突き出し広告等、建物に設置する場合) (建築物全体の寸法と設置位置が確認できるように) 7) 広告物意匠図*(広告物のデザイン・面積などが確認でき、着色したもの) 8) 広告物構造図*(広告物本体・基礎の構造、材質、建築物への取付方法など) 9) 屋外広告物点検報告書・点検写真(更新毎) 10) 有資格者による点検の場合、点検者の資格証明書の写し 11) 屋外広告物カラー写真(表示内容、表示面積が確認できるように) 12) 土地使用承諾書(他の人が所有する土地・建物に表示などする時) 13) 他法令の許可書写し(工作物確認済証、道路占用許可書等必要に応じて) 14) 設置者変更届・管理者変更届(前回申請時から変更がある場合のみ) 15) 返信用封筒 2 通(手数料納入通知書と許可書類を郵送で受け取る場合のみ) |
工作物確認申請
看板等の工作物は建築物ではないですが、建築基準法 第88条により、一定規模のものは建築基準法の規定が準用され確認申請が必要です。工作物の安全を確保するため、構造規定・防火規定に適合しているか建築主事(または指定確認検査機関)にチェックを受け、工事着手前に工作物確認済証を取得する必要があります。そして工事完了後4日以内に完了検査の申請を行い、建築主事による完了検査を受け、検査済証を取得します。確認済証が下りなければ着工してはならず、検査済証が下りなければ申請物件は使用してはいけません。
建築基準法 |
この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。※建築基準法:第1章第1条より |
工作物確認申請 | 建築基準法の規定により行う申請手続き |
申請先 | 特定行政庁または民間の確認審査機関 |
許可までの期間 | 通常1週間~1ヶ月程度 ※屋外広告物申請時に確認申請の許可番号がないと下りない地域もある (逆パターンも) |
申請が必要な看板 | ・本体の高さが4mを超える看板 ・ポールや支柱も含め高さが4mを超える看板 |
必要な書類 | 1)申請書類一式(申請書、委任状、建築士免許証の写しなど) 2)付近見取図(方位や地図など広告物の設置場所が確認できるように) 3)立体図(建物に設置する時は、建築物全体の寸法と設置位置が確認できるように) 4)平面図(敷地の境界、広告物の設置位置が確認できるように) 5)意匠図(広告物のデザイン・面積などが確認できるように) 6)構造図(基礎の構造、材質、建築物への取付方法など) 7)構造計算書 8)地盤調査報告書 |
防火地域内の規制
建築基準法 第64条により、防火地域内にある看板・広告塔・装飾塔・その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの、または高さ3mを超えるものには、その主要な部分を不燃材料でつくるか、不燃材料で覆わなければならないと義務付けられています。※不燃材料とは、防火性能を持つ建築材料(不燃材料・準不燃材料・難燃材料)の中でも最上位にあたります
建築基準法 |
この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。※建築基準法:第1章第1条より |
防火地域内の規制 | 建築基準法の規定により行う防火対策の義務 |
防火措置に使う不燃材料 | ・建築基準法施行令の技術的基準で定められた建築材料 (コンクリート、レンガ、瓦、陶磁器質タイル、繊維強化セメント板、ガラス繊維混入セメント板(t=3以上)、 繊維混入ケイカル板(t=5以上)、鉄鋼、アルミニウム、金属板、ガラス、モルタル、漆喰、 石、石膏ボード(t=12以上、ボード原紙t=0.6以下のもの)、ロックウール、グラスウール板) ・国土交通大臣が認定する建築材料 |
不燃材料例 | 不燃アルミ複合版、不燃対応フィルム、不燃認定されたインク、不燃FF(フレキシブルフェイス)シートなど |
道路占用許可申請
道路法第32条より、建築物から突き出る看板などを道路上に設置する場合は、基準に適合しているか道路の安全に問題がないかの審査および許可が必要となります。また許可には有効期間があり期間を過ぎて表示する場合は「道路占用継続申請」が、占用面積やGLからの距離などを変更する場合は「道路占用変更申請」が必要です。どれも許可証が下りなければ、占用物の設置をしてはいけません。
道路法 |
この法律は、道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定及び認定、管理、構造、保全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もって交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進することを目的とする。※道路法:第1章第1条より |
道路占用許可申請 | 道路法の規定により行う申請手続き |
申請先 | 道路管理者(国道→国道事務所、県道→県、市道→市) ※看板による道路占用は認められていない路線もあるので、計画に当たっては事前に調査が必要 |
許可までの期間 | 2~3週間程度 ※占用申請と同時に「使用申請の許可」も必要になる場合もある |
申請が必要かの判断 ※各都道府県市条例により異なる | ・建築物から突き出る看板などが、歩道や道路にはみ出る場合 ・看板の支柱が自分の敷地内にあったとしても、看板の一部が公道の空中にはみ出る場合 |
必要な書類 ※各地自体によって異なる | 1)申請書類一式(申請書、委任状など) 2)付近見取図(敷地全体の様子が確認できるように) 3)平面図(道路境界線を赤などで明確にし、広告物の設置位置や占用している道路がわかるように) 4)立面図(地盤面から広告物下端までの高さ、道路境界線からの出幅や占用面積がわかるように) 5)意匠図(広告物のデザインが確認でき、着色したもの) |
道路使用申請
道路交通法第76条により、道路において工事もしくは車両制限をしようとする時や、道路に広告板、アーチ等の工作物を設けようとする時などは、歩行者や通行車両、道路の安全に問題がないか審査を受ける必要があります。許可証が下りれば着工が可能となります。また申請内容別に許可種類が分かれており、道路で工事や作業を行う場合は「工事他の道路使用申請」が、道路上に広告板その他これらに類するものを設置する場合は「上空使用の道路使用申請(道路占用と同様、継続申請が必要)」が必要です。
道路交通法 |
この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。※道路法:第1章第1条より |
道路使用申請 | 道路交通法の規定により行う申請手続き |
申請先 | 所轄の警察署(国道・都道府県道・市道等、道路の種別に関係なく) ※警察とは別に、道路管理者への届出が必要な行政もある。 |
許可までの期間 | 3日~1週間程度 |
必要な書類 ※各地自体によって異なる | <工事・作業の場合> 1)申請書類一式(申請書、委任状など) 2)付近見取図(敷地全体の様子が確認できるように) 3)作業帯図(作業帯の寸法や面積、交通誘導員の数と配置、作業車両の種類と配置、安全通行帯の幅員など明確に) 4)その他(作業車の車両諸元など、迂回路図(通行止めする場合)、自治会同意書(通行止めする場合)) <上空使用の場合> 1)申請書類一式(申請書、委任状など) 2)その他の添付図書は基本的に道路占用と同じ書類 |
周辺環境や景観への配慮
景観は主に「自然」・「建造物」・「ストリートファニチャー」・「交通」・「人」で構成され、その中に「看板(屋外広告物)」も含まれます。そのため屋外広告物のみで考えるのではなく、周辺景観と調和されているか全体的に考えることが重要です。
景観に関する指定地区に設置するものや大規模建築物の壁面などに設置するものには、地区では看板の大きさや設置位置、色彩など基準が設定されていることもあるため、各自治体へ事前の確認が必要です。また作業(行為)着手の30日前、行政によっては60前までに届出をしなければいけません。
景観法・景観条例 |
この法律は、我が国の都市、農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため、景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずることにより、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り、もって国民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。※景観法:第1章第1条より |
周辺環境や景観への配慮 | 景観法・景観条例の規定により定められた基準 |
規模・位置 | ・広告物のサイズは、基本的に視認上必要な規模とし、必要以上に大きくしない ・広告物の設置位置は、沿道を歩く人など対象者からの見やすさを考える ※屋上看板など高層に設置する場合は、景観への影響が広範囲に及ぶ可能性あり |
形態・意匠 | ・見え方に配慮する(読みやすい文字・適度な余白・適度な情報量) ・地域の特性、雰囲気を活かしたデザインにする ・広告物が主張し過ぎないようにする |
色彩 | 各自治体で設定された基準を守る |
照明・光 | ・過度に点滅するものや必要以上に明るいものは避ける ・環境へ配慮する(省エネルギー器具の採用や自然エネルギーの活用など) |
その他関係法令
「都市計画法」、「自然公園法」、「文化財保護法」、「消防法」、「交通バリアフリー新法」、「製造物責任法(PL法)」、「電気用品安全法」、「電気設備技術基準」、など、関係法規は多岐に渡ります。地域ごとに設定基準が異なりますので、詳細は各自治体に確認するようにしてください。
看板(屋外広告物)を表示・設置できない場所
禁止広告物
禁止物件(第5条)、禁止地域等(第3条・第4条)、許可地域等(第6条・第7条)に関係なく、以下に該当する屋外広告物等は表示も設置も禁止されています。設置した当時は該当していなくても、その後違反状態を呈するに至った場合は、条例に則り都道府県知事から除却を求められたり、改修・移転・修繕・許可の取り消しなどの指導指示が入ります。
表示または設置が禁止される屋外広告物 ※屋外広告物条例ガイドライン第13条より |
1. 著しく汚染し、たい色し、又は塗料等のはく離したもの 2. 著しく破損し、又は老朽したもの 3. 倒壊又は、落下のおそれがあるもの 4. 信号機又は道路標識等に類似し、又はこれの効用を妨げるようなもの 5. 道路交通の安全を阻害するおそれのあるもの |
禁止物件
無秩序に表示されるのを防止することは、安全面の意味からも規制されているところがあります。特に信号機、道路標識、街路樹などは、設置してしまったことにより見通しが悪くなったり、肝心の信号や道路標識が見えなくなったりと、公衆に危害を与えないようにするためです。道路における広告物の表示については、道路法や道路交通法による規制も行われいるため、合わせて注意が必要です。
屋外広告物の表示等が禁止される物件 ※屋外広告物条例ガイドライン第5条より |
橋、トンネル、高架道路、高架鉄道、道路標識、信号機、ガードレール、街路樹、景観重要樹木および建造物、郵便ポスト、公衆電話ボックス、送電塔、テレビ塔、街路灯、電柱、ガスタンク、煙突、記念碑、石垣、消火栓、道路の側面 など |
禁止地域
美しい街並みや伝統的建造物群、都市公園や学校など、「良好な景観又は風致の維持」の観点から特に屋外広告物の設置を禁止する方が望ましいと考えられている地域です。ただし、一定の要件を満たせば禁止区域や禁止物件でも屋外広告物を出せる場合があります(適用除外広告物)。適用除外広告物にも、許可が必要なものと許可を受けずに出せるものがあり、禁止区域等に出すことができる広告物等でも、その形や大きさは規格に定める基準に合っていなければなりません。
原則としては、一般広告物は表示・設置することができませんので、事前に確認してから看板設置の計画を立てましょう。
屋外広告物が規制される地域 ※屋外広告物条例ガイドライン第3条より |
第1種低層住居専用地域、第2低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、特別緑地保全地区、風致地区、歴史的建造物、墓地、国または公共団体が管理する公園、緑地、学校、病院、図書館、官公署等の敷地 など |
看板(屋外広告物))の管理義務
看板(屋外広告物)は一度設置したら終わりではありません。平成27年2月15日には札幌市で看板が落下し、通行人の頭部に当たり大けがを負わせる重大事故が発生しました。広告主、所有者などは、補修その他必要な管理を行ない「良好な状態に保持する義務」があります。万が一看板(屋外広告物)が落下し第三者に被害を及ぼしてしまえば、失うものは計り知れません。看板の安全を放置せず、定期的な点検とメンテナンスを行い、責任を持って管理していきましょう。
法適合管理
看板(屋外広告物)を継続して設置するためには、期間毎(多くの場合は3年)に許可を得る必要があります。また更新時には安全点検(期限が切れる日から逆算して3ヶ月以内)を行い、屋外広告物安全点検報告書の提出が義務付けられています。※更新の際は、必要な資格を持った技術者による安全点検が必要です。
多くの行政では、屋外広告物更新期限前に、看板設置者に対して、継続申請に関する書面を発送します。その場合、書面受領後に、継続申請手続きを行えば問題ありません。しかし一部行政によっては通知を発送していない所や、コロナ禍の出勤抑制により通知の発送を中止している所もあります。コンプライアンス遵守の為には、設置者が自発的に継続申請を行う必要があります。
安全管理
屋外広告物設置許可を得ている物件に関しては、行政の定める期間において、定期的な安全点検とメンテナンスを行う必要があります。注意しなければならないのが、設置許可が不要な物件です。外部から見て何も問題ないように感じる看板でも、内部腐食が進んでいて落下事故に繋がる可能性もあります。このような物件に関しては、設置者が計画的に点検とメンテナンスを行い、安全を確保する必要があります。看板(屋外広告物)の状態は、気象状況や設置されているエリアにより日々変わってきますので、事故を未然に防ぐためにも、安全管理は重要です。
美観管理
看板(屋外広告物)の良し悪しは企業の「信用・信頼」「ブランド」の評価に影響します。面板の退色や内照式看板の不点などの不備は、看板本来の役割を果たせず機会損失にも繋がります。安全面の確保はもちろん景観管理も広告主、所有者の重要な役割です。美観を意識する=異変に気付くことにも繋がりますので、定期的にチェックを行いましょう。
▼関連記事
屋外広告物(看板)等の安全点検義務化経緯と点検内容
▼広告物を安全に管理するためのガイドブック(発行:屋外広告物適正化推進委員会)
オーナーさんのための看板の安全管理ガイドブック
▼安全点検の指針(案)(発行:国土交通省)
屋外広告物の安全点検に関する指針(案)
「点検・メンテナンス・申請」すべてお任せください!
屋外広告物の許可を更新する際には、資格要件を満たした点検者による点検報告書の提出が必要になります。当社には屋外広告士が多数在籍しており、各自治体への申請実績も豊富ですので、手続きも安心してお任せ下さい。また点検の結果、補修や交換が必要だと判明した場合にも、当社では、電気工事や建築も手がけるため、すべての看板施工で安全・確実なサービスの提供が可能です。
私たちの身近には、さまざまな看板(屋外広告物)が設置されています。そして生活に必要な情報を提供し活気をもたらしてくれる一方、適切に管理・設置されなければ危害を与える恐れもあります。皆それぞれが法令に則り責任を持って正しく設置するからこそ、私たちの生活がより快適により安全におくれるのです。