特集

2024.04.24

# 看板工事# 看板# 工事

ユニバーサルデザインの室内看板が求められる理由

室内看板(トイレサイン)

ユニバーサルには「全てに共通の、普遍的な」という意味があり、ユニバーサルデザインとは、年齢や障害の有無・体格・性別・国籍など、人々が持つさまざまな個性や違いに関わらず、できるだけ多くの人にわかりやすく、できるだけ多くの人が最初から利用できるようにデザインすることを言います。
 

ユニバーサルデザインの原則

ユニバーサルデザインの原則

1. 【公平性】 誰でも使えて手に入れることが出来る
2. 【自由性】 柔軟に使用できる
3. 【単純性】 使い方が簡単にわかる
4. 【明瞭性】 使う人に必要な情報が簡単に伝わる
5. 【安全性】 間違えても重大な結果にならない
6. 【容易性】 少ない力で効率的に、楽に使える
7. 【快適性】 使うときに適当な広さがある

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い

ユニバーサルデザインとバリアフリーはよく混同されがちですが、対象や考え方が異なります。ユニバーサルデザインは【最初から全ての人が対象で、多様な人の利用を想定しており、全員が容易に使えるようにするデザイン】であり、一方バリアフリーは【高齢者・障害者など補助が必要な方々が対象で、今存在する設備や製品に対し、社会参加するうえで困難になりうる障壁を除去または付加しようとするデザイン】になります。

ユニバーサルデザインとアクセシビリティデザイン

ユニバーサルデザインとアクセシビリティデザインの関係

ユニバーサルデザインの中には、「アクセシビリティ(さまざまな人が、さまざまな状況で利用できる度合い)」も包含されます。
このアクセシビリティ=アクセシビリティデザインは、「製品や環境にさまざまな工夫を施すことによって、より多くの人々(成人・青年から高齢者層さらには障害のある人へなど、少しずつより多くの人々)が利用できるようにするためのデザインのことを指します。またISOなどの標準化分野で普及し、2001年には「ISO.IECガイド71(アクセシブルデザインのガイドライン)」が出版されました。現在ではCEN(欧州標準化委員会)などの地域標準、また日本、韓国、スペイン、イタリアなどの国内規格として多く採用され、今後さらに世界的に必要とされるデザインです。

室内看板にはどのような種類があるか?

室内看板のイメージ

看板は屋外で見るものというイメージがあるかもしれませんが、屋内にも看板はたくさんあります。「パネル・プレート看板、切り文字看板」や、「壁付け看板、天吊り看板、突出し看板、建植看板、置型看板」など、用途によってさまざまです。
店舗・複合商業施設・オフィス・工場・倉庫・病院など場所によって、またあらゆる人が見るからこそ、全ての人が対象のユニバーサルデザインの看板が求められます。

室内看板の例

室内看板(天吊り看板)

天吊り看板

室内看板(天吊り看板)

天吊り看板

室内看板(壁付け看板)

壁付け看板

室内看板(壁付け看板)

壁付け看板

室内看板(突出し看板)

突出し看板

室内看板(突出し看板)

突出し看板

室内看板(チャンネル文字看板)

チャンネル文字看板

室内看板(チャンネル文字看板)

チャンネル文字看板

室内看板(切り文字看板)

切り文字看板

室内看板(切り文字看板)

切り文字看板

室内看板(建植看板)

建植看板

室内看板(デジタルサイネージ)

デジタルサイネージ

室内看板(卓上看板)

卓上看板

室内看板(置型看板)

置型看板

室内看板にユニバーサルデザインが求められる理由

暮らしやすい街づくり

日本は国際条約の「障害者の権利に関する条約」を締結しており、あらゆる障害者(身体障害、知的障害および精神障害等)の、尊厳と権利を保障するために、国をあげて積極的な取り組みが行われています。目の不自由な人には点字看板や音声案内看板、耳の不自由な人には電光掲示板、車いすを利用している方には看板の設置位置を工夫するなど、暮らしやすい街づくりを行うため、ユニバーサルデザインの普及が求められています。

少子高齢化への対策

現在の日本は少子高齢化が進んでおり、2070年には2.6人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上になると予想されています※。全人口に占める高齢層の割合が増え若中年層減る中で、より高齢者の自立が求められるようになりました。高齢になると運動機能や身体機能の低下が現れたりするため外部からの補助が必要になり、ユニバーサルデザインの看板などが求められるようになりました。
※参照:https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2023/html/gaiyou/s1_1.html

グローバル化への対策

日本在住の外国人も増え、またコロナ禍で一時減少していた海外からの観光客も戻ってきました。それに伴い、日本語がわからない外国人も不自由なく生活が送れるように、案内看板を多言語にしたりピクトグラムを使用したりと、ユニバーサルデザイン(※アクセシブルデザイン)の看板の必要性が高まってきました。

ユニバーサルデザインに対応した室内看板

看板は年齢性別国籍などに関係なく不特定多数の方が見ます。そのため「誰もが正しく内容を容易に理解できるか」が求められます。そのためには、「位置」「文字・図」「色彩」などについても考える必要があります。また看板単体で考えるのではなく施設全体を通した、トータルな視点が求められます

看板の取付け位置

室内看板の設置位置

視認性を考えることはもちろん大切ですが、第一に動線の邪魔にならない、人に当たらないように注意することが大切です。人の往来が多い場所や、小さなお子さんが居る場所では、さまざまな行動パターンを予想し、ケガや事故に繋がらないよう細心の注意が必要です。
また大人と子供では目線の高さが変わること、車いすを利用している方、点字を必要している方にはどんな配慮が必要かなど、受け手側の事を優先しましょう。

看板種類取付位置の参考例
天吊り看板天井高によって変わってくるが、遠くからでも視認できるように天井に近い高い位置に設置するのが望ましい。
表示面積が大きくなる分圧迫感も増すため、高さや色などの配慮も必要。
壁付け看板目線の高さ(H1500㎜~1700㎜程度)が一般的。
ただし保育園、幼稚園、老人ホームなど、利用者がある程度限定されている施設では、その利用者に合わせて高さを設定する場合もある。
突出し看板出入口などドアや通路の高さ(H2000㎜程度)が一般的。
ドアの開口部によってその都度調整は必要だが、どのような利用者が多いか想定したうえでの設定が必要。
建植看板目線の高さ(H1500㎜~1700㎜程度)が一般的。
ただし点字などがある案内看板などは、中心の高さを地面からH1400㎜程度の高さに設置することを推奨。
どの年代の方からも触知できる配慮が必要。

看板の情報(文字)

看板の情報(ユニバーサルデザインフォント)

ユニバーサルデザインフォント(UD)は、ユニバーサルデザインのコンセプトに基づいて考えられたフォントで、読みやすさに加え、遠くからでも読み間違いがないように可読性・判読性が高くなるようにデザインされています。
日々の暮らしの中で文字は大変重要な役割を持っており、その文字が読み取りづらいと正確に情報を得ることができません。小さい文字が読みにくい人がいたり、フォントによっては文字と認識できない人がいたり、人によってさまざまな問題を抱えています。多くの人が暮らしやすい社会にするため、このユニバーサルデザインフォントの重要性が高まっています。

項目ユニバーサルデザインフォントの特徴
文字の線幅太さを均一にしている。
文字の隙間見やすいように余白を大きめにしている。
文字の形似たシルエット(3と8、Sと6など)は形の違いを明瞭にする。
濁点・半濁点文字にかぶらないようにする。大きめに表示する。

看板の情報(図)

看板の情報(ピクトグラム)

海外からの渡航者も増加し、看板においても英語や中国語や韓国語など、日本語と並列して表記されるようにはなりました。しかし世界には200程の国と地域が存在し、数え方によってさまざまではありますが、だいたい3000~7000程の言語が存在すると言われており、残念ながら全ての言語を網羅することは難しく、また全ての看板に多言語を表記することも難しいのが現状です。
この言語の壁を乗り越える方法の一つとして、JIS規格で定められた「ピクトグラム」のように、図で伝える方法があります。図やイラストであれば視覚的に理解できますし、子供にも理解しやすいため【ピクトグラム】を使用した看板も増えてきています。

JISピクトグラム例1

JISピクトグラム例2

ピクトグラム   説明
概要特定の言語を使わない/言葉がわからない場合でも、誰にでも情報を伝えられるように簡略化されたデザイン・視覚記号のこと。
歴史1920年頃、オーストリアの社会・経済学者オットー・ノイラートとイラストレーターのゲルト・アルンツにより、複雑な社会や経済の情勢をわかりやすく伝えるために考え出されたアイソタイプが、ピクトグラムの始まりとされている。
メリット(1)図から意味を連想しやすい
(2)言語を用いなくても意味が理解できる
(3)限られた表示面でも情報を伝えられる

看板の色彩

色彩(見え方の違い例)

色を活用また組み合わせることで、さらに効果を発揮させることができます。ただここで忘れてはいけないのが、「色の見え方はすべての人に共通しない」ということです。効果をあげるために使用した色が人によっては機能しなかったり、逆効果になったりすることもあります。
色覚異常のある方や、加齢により見え方が変化した方など、色の見え方にも多様性があることを理解したうえで、色を設定する必要があります。色を見分ける能力が低下している人には、赤と緑という色相の違いよりも明度差を意識した配色の方が視覚的なサポートとしては効果的です。
(左画像:色彩検定公式テキストUC級P61画像引用)

▼色改善の前後例

室内看板の色彩(改善前後の例1)

室内看板の色彩(改善前後の例2)

機能的な特徴留意点
視認性ある特定のものを注視した時、その存在の確認のしやすさの事。
「赤×黄」「黄×黒」「白×黒」といった明度差の高い配色を使うと効果的。
明視性図形の意味の理解のしやすさの事。
常に明度のコントラストが強い組み合わせにすると効果的。
可読性文字の読みやすさの事。
「白×黒」など明度差の高い色や、文字にアウトラインや影を付けると効果的。
誘目性人の目を惹きつける、発見されやすさの事。
一般的には赤などの暖色系が目を引きやすい傾向にある。
識別性複数の対象物に対して、区別・認識のしやすさの事。
色だけの区別ではなく、文字の併記や、線種を多用すると効果的。
「黄×黄緑」「茶×赤」「白×黄」「黒×青」などは色別が困難な配色などで注意が必要。
色の感情効果色が感情に及ぼす影響のこと。
例えは立ち入り禁止などの場所には、危険・禁止などのイメージがある赤を用いると効果的。
(ただし色を区別しにくい人にとっては赤の持つインパクトが伝わりにくいため、文字による付加情報なども必要)

ユニバーサルデザインの室内看板に見直しませんか?

ユニバーサルデザインの室内看板に見直しませんか?

ユニバーサルデザインの看板は、「暮らしやすい街づくり」「少子高齢化への対策」「グローバル化への対策」として、さらに必要とされることと思います。もし今設置されている室内看板がまだ未対応の場合は、これを機に是非ご検討のほど宜しくお願い致します。

店舗新設やリニューアルのタイミングで、ユニバーサルデザインの室内看板へ

朝日エティックは「看板」を始め、「内外装」「電気計装」「塗装」「建築土木」など、15もの事業を展開しており、施設・店舗にいま必要な工事を、一括で実施することが可能です。一括で依頼することで複数会社とのやり取りに悩まされることもありません。まとめて当社にお任せください。まずはお気軽にお問い合わせください。