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2021.06.18
# 看板工事# 看板# 工事# その他
店舗看板のマスターガイド【屋外設置編】| 屋外看板の必須知識
看板は広告方法の一種で、企業のブランドや商品やサービスなどを人目につく場所に掲げておくものです。
公共の空間において、ブランドやサービスなどを消費者の方々へお伝えする為のコミュニケーションの道具であり、ブランドロゴなどを掲げておくことから『企業の顔』とも言われます。
店舗営業において看板は欠かせない存在ですが、設置にはある程度の知識が必要です。
この記事では店舗看板の購入や設置をご検討中の方に、是非抑えておいていただきたい必須の知識をご紹介します。
店舗看板の役割とは
店舗の屋外看板は、お客様とのコミュニケーションにおいて「目印」と「誘導」という2つの重要な役割を担っています。
役割① 目印
店舗や施設などの位置を運転者や歩行者に示すことが目的で、お客様に店舗を見つけてもらえないまま素通りされてしまうことを防ぎます。主に運転者や歩行者が視認しやすい場所に設置されているシンプルな看板です。
役割② 誘導
行動(来店や注文など)するつもりはなかった人々の意識を変え行動を促します。「ネットでお店の場所を調べれば看板がなくとも来店してもらえる」というケースもありえますが、その場合は予め来店の意思を持っている人しか店舗へ導くことができません。看板はそのような方々に対しての目印としてはもちろん、店舗の存在を知らなかった方々に対して来店を誘導するきっかけとなります。
こちらも運転者や歩行者が視認しやすい場所に設置されていますが、比較的情報量の多い看板になります。
屋外に設置できる店舗看板の種類
看板といっても様々な種類があり、それぞれに異なった効果や用途があります。効果を最大限に発揮するためにもそれぞれの特徴を抑えておくことが重要です。
【置型看板】
地面などに固定せず、移動が可能な小型看板を指します。脚にキャスターがついていたりして、持ち運びや設置が簡単で簡易的なものが多いです。歩行者の目線に近いため、細かい内容を読んでいただくのに適しています。店舗入口などに設置し、メニューやサービスを紹介することで入店を促す役割を果たします。キャンペーン価格の商品を表示しているものなども見かけることがあるのではないでしょうか。「スタンド看板」などとも呼ばれており、形などによっていくつかの種類に分けることができます。
置き看板は手軽に設置でき便利な看板ですが、屋外で使用する場合、強風時には転倒してしまうため屋内に片付ける必要があります。
種類(一例) | 形や特徴など |
A型看板 | 横から見た時にAの形をしています。片付ける時は畳んでおくことができます。 |
T型看板 | 横から見た時に逆さにしたTの形をしています。 表示面が地面から垂直なので、A型看板よりも少し離れたところからでも 内容が見えやすくなっています。 |
電飾看板 | LEDなどの光源が内蔵されていて、夜間の集客に効果的です。 電飾の置き看板は電気用品となりますのでPSEマークを表示しなければなりません。 購入の際はPSEマークが表示されているものを選びましょう。 |
【建植看板】
地中に基礎を埋め込んで建てる看板で、大型のものは高さ10m~15mほどになります。自立している看板のため、店舗の敷地が広く建物が通りから奥まった場所にある場合でも、道路沿いに設置することで店舗の存在をアピールすることができます。運転者へのアピールに効果的です。
「自立看板」「サインポール」「パイロンサイン」などとも呼ばれます。
【壁面看板】
建物の壁面と平行に設置する看板で、箱形の看板や立体文字(チャンネル文字等)があります。
店舗の入口正面に設置するものは「ファサードサイン」と呼ばれ、そのデザインや雰囲気によって店舗のイメージに大きな影響を与えます。
遠方から視認できるような大型壁面サインを高所に設置すれば、建植看板と同じように遠方のお客様へのアピールをすることも可能です。
▼チャンネル文字とは?詳しい内容はこちら
箱文字(チャンネル文字)看板とは【種類・特徴・切り文字との違い】
【突出看板】
建築物の壁面に対して垂直に設置する看板です。通りに対して垂直に設置されるので、ビルなどが多い場所でも歩行者に見つけてもらいやすくなります。
建植看板とは逆に、敷地にあまり余裕がない場所で店舗の存在をアピールすることができます。
【屋上看板】
建築物の屋上に設置される看板です。広告面が非常に大きく、最大で4面での掲出ができます。市街地ではビル屋上に設置されているものを見かけることが多いのではないでしょうか。遠方からの視認性に優れ、高速道路や電車を利用中の人に向けてもアピールすることが可能です。
以上のように店舗周辺の状況によってどのような看板を検討すべきかが変わってきますので、事前にチェックしておきましょう。
▼そのほかの看板の種類についてはこちら
看板の種類一覧【名称・用途・効果的な活用シーンまで徹底解説】
店舗看板の設置に関わる法令
屋外に設置する看板は「屋外広告物」と呼ばれ、さまざまな法令が関わってきます。これらの法令は良好な景観の維持・形成や公共の安全のために必要な規則を定めたものです。
内容を知らずに違反物件を取り付けてしまった場合、後から改修や撤去を命じられる可能性もあります。
余計な費用をかけない為にも、看板にかかる規制は把握しておきましょう。
屋外広告物条例
国土交通省が制定した屋外広告物法に基づき、都道府県や市町村などの各自治体は屋外広告物条例を定めています。
この条例では、看板の掲出が許可・禁止されている区域や、看板の種類に応じて掲出できる大きさ、高さ、使用できる色や彩度など、看板に対して様々な規制が設けられています。
規制の基準や内容は自治体ごとに異なるため、屋外に看板を設置する際は必ず設置予定地域の屋外広告物条例を確認しましょう。
店舗看板でブランドやサービスを表示しているものは「自家用広告物」に該当し、基本的には屋外広告物設置許可を受けて設置することになります。
※自家用広告物:自己の氏名、名称、店名、屋号、商標又は自己の事業若しくは営業の内容を表示するため、自己の居所又は事業所若しくは営業所に表示し、又は設置されるもの。
屋外広告物の設置許可申請は図のような手順で進んでいきます。許可が下りる前に設置工事等に取り掛かることはできません。
設置する看板の規模によっては、管理者を置くことを義務付けられている可能性があります。管理者に資格要件が求められていて自社で資格者を用意できない場合は、業務委託が必要です。
また適用除外の扱いとなり許可手続きが不要となるケースもありますが、条例によって適用除外とする条件は異なります。
建築基準法
高さが4mを超える大型の看板は、地上に直接建てる場合でも建築物に設置する場合でも、建築基準法第88条の規定により確認申請が必要な工作物に該当し、単体として地震力等の荷重・外力に対して安全なものとしなければなりません。
そのため設計段階で、構造計算等で安全上支障がないことを建築主事(または指定確認検査機関)にチェックを受ける必要があります。
この規模の看板工事に着手するためには、必ず工作物確認済証が必要になります。なお、工事完了後には速やかに完了検査を受け、検査済証を取得する必要があります。
▼工作物確認申請が必要な看板の詳細が知りたい方はこちら
【特集】大型看板とは?大型看板の設置・施工・工事なら
道路法
建築物と道路までの距離が近い場合など、看板を設置する際やむを得ず看板の一部が道路上空に突き出すことがあります。その場合は道路法第32条により、必ず道路管理者から占用の許可を得なくてはなりません。許可の基準として、路面から看板下端まで確保しなければならない高さや、突き出しができる幅などが定められています。
例として、東京都道では以下の通り許可基準が定められています。
路面から看板下端までの高さ | |
歩道上 | 2.5m以上 |
歩道のない道路 | 路面から4.5m以上(車との衝突防止のため) |
出幅 | |
袖看板の場合 | 道路境界線から1.0m以内 |
壁面看板の場合 | 道路境界線から0.3m以内 |
尚、本体が道路に突き出していて歩行者や車両の通行の妨げになるような看板は設置を認められていませんので注意が必要です。
スタンド看板を道路に置くこともこれに該当しますので、スタンド看板は必ず敷地内に収めて置かなくてはなりません。
他にも占用を認められないケースもありますので、もし道路へ突き出しの懸念が出てきたら、まずは道路管理者に占用が認められているかどうかを確認することが第一です。
道路管理者ごとに申請窓口や手続きの手順なども異なりますので、占用可能であることが確認できたら申請の手順も併せて確認しておくとよいでしょう。
その他景観条例等
関連する法令について代表的なものを並べてきましたが、他にも良好な景観の形成のために景観条例が制定されている自治体もあります。
工作物の新築・改築や外観の変更など、行為の種類によっては着手の1ヶ月前に届出や事前協議が必要になります。
行為の種類及び必要な届出、対応すべき時期等は自治体によって様々です。
店舗の場所が景観条例に該当する区域かどうか、その場合はどのような対応が必要かを確認する必要があります。
景観地区では、看板に使用できる色彩基準が設けられていることもあります。色彩基準はマンセル値を用いて示されています。
各法令に適合した物件を取り付けるためには、看板設置予定の地域にどのような規制が設けられているか、事前の調査が重要になってきます。直前になってから「実は設置できなかった」ということのないようにしっかりと準備しておきましょう。
▼関係法令の詳細と、申請に必要な書類などを知りたい方はこちら
守るべき看板設置のルール【法令・許可申請・管理義務】
店舗看板を設置した後は?
看板は通行人や通行車両が多いところに設置することになるので、設置後の安全管理は欠かすことができません。もし劣化した看板を放置した場合、落下などの事故が起きて歩行者等に危害を及ぼす可能性があります。店舗営業への影響も甚大です。
看板の管理義務
公衆への危害を防止するため、屋外看板は設置に際し管理義務が発生します。屋外広告物設置許可を受けた後は、行政の定めにより概ね3年以内に許可の更新を行っていくことになります。
地域によっては1、2年ごとの場合もありますので、こちらも各自治体の屋外広告物条例を確認しておきましょう。
屋内の看板と屋外の看板で決定的に違う点は、風雨や日光等過酷な外部環境にさらされることです。
外部からは何も変わっていないように見えても、内部では浸水や塩害などで腐食が進んでいることもあります。そのような状態で強風が吹けば、腐食している部材が破損し落下事故に繋がります。許可更新の際には、必要な資格をもった技術者が詳細点検を実施し、安全の状態を確認、報告する必要があります。
管理を怠ったことによって2015年札幌で看板落下により通行人に危害が及ぶ事故が発生しています。
以降、看板の安全性確保に対する意識は高まっており、国土交通省は屋外広告物の更なる安全性確保に向けて『屋外広告物条例ガイドライン(案)』を改訂しました。
これまで曖昧であった点検に関する規定が明確化され、各自治体で屋外広告物条例及び屋外広告物条例施行規則を改訂する動きがあり、一定規模以上の屋外広告物については有資格者による安全点検を義務付ける自治体が増えています。
屋外広告物条例を定めている自治体の数は2024年2月時点で231ありますが、今回はそのうち47都道府県を対象に「有資格者点検が必要な広告物の規模」「資格要件」を一つの資料にまとめました。全国的に店舗・施設の管理をご担当されている方に活用いただける資料となっております。条例・規則の改正により新たに点検依頼先をご検討される際、参考資料としてご利用ください。
まとめ
以上のように、屋外看板は公衆の目に留まる場所に設置する物だからこそ、設置する前から設置した後まで考慮すべきポイントがたくさんあります。適切に店舗看板を設置するためにも、看板に関して最初から最後までサポートをしてくれる会社への依頼をお勧めいたします。
当社では事前調査を含めたご提案から設置後のメンテナンスまで一貫してお引き受けしておりますので、店舗や施設に看板設置をお考えの方は是非お問合せください。
※参考URL
屋外広告物制度の概要|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/toshi/townscape/toshi_townscape_tk_000023.html
屋外広告物の安全管理義務|東京都都市整備局
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku/koukoku/kou_anzen.htm
看板・日よけ、工事施設等の道路占用許可について|東京都建設局
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/road/kanri/senyoryo_kaitei/kanban_kyoka_annai.html