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2021.07.05

# 看板# 工事# その他

看板の管理を最も合理的に行う方法とは?

屋外広告物(看板)は、主に3つの観点における管理を継続的に行う必要があります。本記事では次の3つの観点を網羅した維持・管理の運用方法を解説します。
(1) 法適合管理
ご存じの通り、屋外広告物(看板)は、管轄行政より屋外広告物設置許可を得る必要があり、行政の定める期間(多くの場合3年)毎に、継続許可を得る必要があります。行政から継続申請に関する書面による通知が届く場合は、そちらに従い処理を行うことで、許可状態を維持することができます。しかしながら、書面による通知を行わない行政が一定程度存在し、またコロナ禍による事務処理軽減により、書面通知を中止している行政もあります。
このような状況下、法適合状態の維持には、設置者による能動的な対応が必要になります。
(2) 安全管理
昨今の気象状況の変化により、屋外広告物(看板)が設置されている屋外環境は、より一層過酷な状況になっています。老朽化した屋外広告物(看板)の落下等の事故も後を絶ちません。このような環境下、事故を未然に防ぐために、屋外広告物(看板)の安全管理を適切に行う必要があります。
(3) 美観管理
屋外広告物(看板)は店舗の顔であり、ブランドを構成する重要な要素です。意匠の表示面に色褪せは無いか、夜間用の内照・外照用照明器具に不点は無いかなど、美観面における管理を適切に行う必要があります。
 

屋外広告物(看板)の維持管理において活用可能なMECEという概念

mece

運用方法の解説に入る前に、基礎となる考え方となるMECEに関して説明します。
MECEとは、Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive の頭文字をとったものです。直訳すると、「相互に排他的で、集合的に余すところがない」という意味です。端的に表現すると「漏れがなく、ダブりのない集合」です。
「漏れ」の有無と「ダブり」の有無で、それぞれ4つの状態を表現することができます。
(1) 漏れ 有 且つ ダブり 無
(2) 漏れ 有 且つ ダブり 有
(3) 漏れ 無 且つ ダブり 無
(4) 漏れ 無 且つ ダブり 有
MECEは、上記(3)の状態です。
これらの状態を具体的に屋外広告物(看板)の維持・管理に当てはめてみます。
例えば、漏れがある場合は、法適合・安全・美観の管理が十分でない状態となりますので、管理されずに放置される屋外広告物(看板)が出てしまいます。一方で、ダブりがある場合は、点検等が重複して実施される等、無駄が発生してしまいます。
以上の通り、屋外広告物(看板)の適切な管理を行う場合、「漏れながなく、ダブりのない集合」を前提にすることが極めて重要になります。

屋外広告物(看板)の管理の合理的運用方法

網羅的な点検・補修・清掃仕様の策定

法適合管理とは、具体的には屋外広告物設置許可と道路占用許可を継続して得ることを指します。特に、屋外広告物設置許可継続申請時には、行政が定める資格者により、行政が定める安全点検を実施の上、安全点検報告書を作成・提出する必要があります。
また、安全管理とは、屋外広告物(看板)に老朽化や経年による不具合が発生することを未然に防ぐために、定期的に安全点検を実施し、必要に応じて補修や交換を行う一連の運用です。
最後に、美観管理とは、屋外広告物(看板)の表示面や外装に色褪せや汚れがないか、屋外広告物(看板)の内照・外照用照明器具に不点がないか確認を行い、清掃や交換を行う一連の運用です。
3つの観点における維持・管理の運用を効率的に行うために、まずは、網羅的な点検・補修・清掃仕様を策定する必要があります。
なお、照明器具の交換対応に関する方針は、使用している照明器具と点灯時間によって判断が必要になります。例えば、点検サイクル内で照明器具の不点が複数回発生する可能性が高い場合は、点検時の照明器具交換は行わず、発生都度の対応とする方が合理的です。一方で、点検サイクルと比較して、照明器具の点灯時間から算出した寿命か同程度又は長い場合は、点検と併せて照明器具交換を行う方が合理的です。

屋外広告物の許可状況に応じた3つの管理方法

続いて、屋外広告物許可状況に応じて3つのグループを構成します。ポイントは、前述の通り、3つのグループが漏れなくダブりなく構成されていることです。
① 屋外広告物設置許可必要 且つ 許可有り
② 屋外広告物設置許可必要 且つ 許可無し
③ 屋外広告物設置許可不要

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①屋外広告物設置許可必要 且つ 許可有り
本グループは、屋外広告物継続申請のタイミングで、安全点検・美観点検を実施します。唯一の注意点は、継続申請対象物件を把握した上で、能動的に継続申請手続きを進める必要がある、という点です。
前述の通り、行政によっては書面による継続申請の通知を発行しませんので、行政からの通知に頼った運用ではなく、自社内で各物件の許可状況や許可期限を管理し、定期的に屋外広告物継続申請手続きが必要な物件を抽出し、漏れなく対応を行う必要があります。
②屋外広告物設置許可必要 且つ 許可無し
本グループは、独自サイクルでの安全点検・美観点検を行う必要があります。こちらの運用はグループ③と合わせて実施しますので、次項で説明します。
本グループ独特の運用として、屋外広告物新規許可の計画的な取得があります。様々な理由から許可の無い状況となっていると考えられますが、設置場所に設定されている規制の確認を行い、管轄行政と協議の上、対応を決定する必要があります。場合によっては、規制に適合させるため、是正工事が必要になるケースも想定されます。計画的に許可を取得し、最終的にはグループ②に属する物件をゼロにすることが目標となります。

③屋外広告物許可不要
条例の定めにより、屋外広告物の許可が不要な物件に関しては、独自に設定した点検サイクルにより、定期的な安全点検・美観点検を実施する必要があります。なお、本運用は、上記グループ②を含めて実施する必要がありますので、ご注意ください。
物件毎に許可状況と前回点検日を管理します。直近の点検における判定結果により点検サイクルを変更する場合は、過去の点検による判定結果も同様に管理する必要があります。
管理されている項目より、定期的(例えば年度毎)に点検対象物件を抽出し、計画的に点検を実施の上、必要に応じて補修や交換を実施します。
最もシンプルな運用としては、屋外広告物許可継続の一般的なサイクルである3年毎に
点検を実施する、というものでしょう。

屋外広告物(看板)の維持・管理における3つのポイント

以上が、屋外広告物(看板)の維持・管理を最も合理的に行う方法の一例です。このような運用を実現するにあたり、重要だと考えられるポイントを改めて3点お伝えします。

点検・補修・清掃仕様書の策定

まず、行政が定める屋外広告物継続申請に伴う点検仕様を正確に把握する必要があります。また、既に設置されている屋外広告物(看板)の仕様を詳細に分析し、網羅的な安全美観点検・補修・清掃仕様を策定する必要があります。
信頼に足る仕様書の策定、並びに仕様書に則った有資格者による点検を徹底するには、屋外広告物(看板)の点検業務に関わる豊富な知見や体制が不可欠です。

既存物件の新規許可取得に関わる行政協議と是正計画

屋外広告物条例は、各管轄自治体により策定されていますので、全国で様々な条例が存在しています。また、必要に応じて改正されますので、物件毎にその都度条例確認を行う必要があります。
条例に適合し施工可能な是正計画の策定を行えない場合、行政の協議や関係者との合意形成等、手間のかかる作業を何度もやり直す必要が出てしまいます。
このような事態を防ぐには、屋外広告物条例対応を熟知した施工会社を選択する必要があります

適切な情報管理

前述の管理運用を実現するためには、対象物件の許可状況や許可期限、過去の点検日や点検結果、屋外広告物(看板)を構成する部材情報を網羅的に管理する必要があります。 適切な管理運用を行うには、適切な情報管理体制が不可欠です。

まとめ

当社は、70年に渡り、北海道から沖縄まで日本全国をカバーした施工体制で、屋外広告物(看板)に関わるサービスを網羅的に提供しています。新規設置から点検工事、メンテナンスまで一元的に対応をさせて頂きます。もちろん、前述の3つの観点からの管理運用に関しましてもお任せください。

朝日エティックの豊富な看板工事実績

また、屋外広告物(看板)に特化した情報管理・業務効率化クラウドサービスを提供しています。屋外広告物(看板)に関して、3つの観点から適切に管理するために、ご活用頂きたいと考えています。

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