特集

2021.11.18

# 水素ステーション# 工事# その他

注目の水素ステーションとは?仕組みや設置場所・今後の展望

日本政府は水素で走る燃料電池車(FCV)の普及に向けて、水素ステーションの整備に乗り出しています。既存のステーションは整備に多額の費用がかかり、補助金制度があっても事業者がなかなか参入できません。脱炭素社会に向けて燃えても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素の活用につなげたいという考えなのです。
 水素ステーションは建設中のものを含めて、2021年10月現在全国に169か所あります。主流のステーションは工場で作った水素を運び込み(後述する定置式オフサイト方式)、1時間で5、6台に充填できるタイプで、整備費は約5億円かかります。補助金を使っても事業者は約1億5000万円が必要になります。国の補助金は補助率2/3或いは補助上限額2億5000万円、国以外にも都道府県から国の補助金を補完する形で助成金が交付されます。例えば東京都の場合は新規整備の場合、国の補助金と併せて大企業は4/5、中小企業は全額補助。但し補助対象となる設備は限定されるので、事業者負担は概ね前述の通りとなります。1時間で3、4台に充填できる小型のステーションもありますが、補助金を使っても事業者にはほぼ同額の負担が生じます。整備費は約4億円、国の補助金は補助率1/2或いは補助上限額1億8000万円、事業者負担額は都道府県からの助成金を含めて約1億円程度は必要となります。
 全国的にステーションの普及がなかなか進まない中、特にFCVの利用台数が少ない地方では、高額な初期費用の回収や利益の確保が難しく整備が進んでいません。しかし将来的に水素スタンドの設置が進むことによりガソリンスタンドで燃料補給する感覚で、水素を充填することができるようになる日が来るかもしれません。そこで、水素ステーションとは、どんな仕組みなのでしょうか。



水素ステーションとは

水素ステーション

燃料電池自動車(FCV)は搭載した燃料電池で、水素と酸素の化学反応によって発電した電気エネルギーを使ってモータ―を回す仕組みになっています。
水素ステーションでは、水素ガスを圧縮機で圧縮し、蓄圧器に高圧で貯蔵します。
燃料供給時は、ディスペンサーから燃料電池車(FCV)の水素タンクに70MPa(メガパスカル)=700気圧という高圧で供給(充填)します。また、水素ガスを急速に充填するとFCVの水素タンク温度が上昇するという現象が起こりますので、あらかじめプレクーラーで水素ガスを冷やします。
ガソリン車がガソリンスタンドでガソリンを補給するように、FCVの燃料となる水素を補給するのが水素ステーションです。
水素ステーションは次のような構成となっています。
・水素を車両に供給するためのノズルを備えたディスペンサー
・水素を適切な圧力に高めておく圧縮機
・圧縮した水素を蓄えておく蓄圧器
・充填する水素を冷却するプレクーラー

水素ステーションの基本的なしくみと種類

①街中のガソリンスタンドと同様の「定置式」
②大型のトレーラーで移動できる「移動式」
更に定置式水素ステーションは、次の2つに分けられます。
①水素ステーション内で都市ガス・LPガス等の燃料を使って水素を製造する「オンサイト方式」※最近ではCO2を発生しない、いわゆる「グリーン水素」の発想から、水電解による水素発生装置が水素ステーションの主流となりつつあります。
②製油所や科学工場等で製造された水素を水素ステーションに輸送する「オフサイト方式」
ディスペンサーには充填のためのノズルがついていて、ディスペンサーから水素をFCVに充填します。

水素ステーションの設置場所

 出展:FCCJ 燃料電池実用化推進協議会 商用水素ステーション情報

商用水素ステーションは、現在日本各地で整備が進められています。
燃料電池自動車(FCV)の燃料を補給するため水素ステーションは、「首都圏」「中京圏」「関西圏」「九州圏」の四大都市圏と、四大都市圏を結ぶ幹線沿いを中心に整備が進められ、2021年9月現在全国155箇所の水素ステーションが開業しています。
水素ステーションの設置場所はFCCJ 燃料電池実用化推進協議会 のサイトで確認できます。又トヨタのMIRAI専用T-Connectナビなどで最寄りの水素ステーションを検索することができます。当社が賛助会員となっている燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)の活動の一環として運営されている水素エネルギーナビからFCCJの商用水素ステーション情報を閲覧できます。

<参考>一般社団法人 次世代自動車振興センター 水素ステーションの基本的なしくみ

水素ステーションを運営するためには?

水素ステーションの運営には、有資格者の選任(高圧ガス保安監督者)が義務付けられています。高圧ガス保安監督者は、国家試験である高圧ガス製造保安責任者試験(甲種機械/化学、乙種機械/化学、丙種化学のいずれか)の合格が要件となっています。この試験では、法令、保安管理技術、学識の3科目を受験する必要がありますが、高圧ガス保安協会が実施する講習会の過程を終了すると保安管理技術、学識の2科目については受検が免除されます。

世界・日本の水素ステーションロードマップ

中国水素エネルギー連盟が2021年4月21日に開いた第14次五カ年計画水素エネルギー産業発展フォーラムで明らかにしたところによると、2020年末時点の世界の水素ステーション数は約544ヶ所で、中国は128ヶ所を開設しています。又水素燃料電池車の累計保有台数は7000台以上です。

アメリカ・カリフォルニア州の水素ステーション建設中期見通しとしては2018年1月26日のEO-B-48-18(州知事令)で2025年水素ステーション200ヵ所、2030年 ZEV500万台普及を指示しました。これを受けてCAFCP(California Fuel Cell Partnership、 民間団体)が2030年FCV100万台、水素ステーション1,000ヵ所の目標を提示しました。これが官民共 通のベンチマークとなっています。

EUの今後の展望としてはFCVが2030年でドイツ50万台~100万台、イギリス・フランス・イタリアが40~80万台、水素ステーションは、2030年でドイツ800~1,350、イギリス・フランス・イタリアが600~1,100箇所となっています。

日本では経済産業省が水素社会の実現に向けて産学官の取り組みを進めるため、2014年6月に「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定し、2019年3月に最新状況を踏まえ新しい目標設定や取り組みの具体化を行う「水素・燃料電池戦略ロードマップ改訂版」をとりまとめています。

燃料電池自動車と水素ステーションに関して同改訂版では、燃料電池自動車の普及目標を累計で2020年までに4万台程度(実質4千台程度の普及)、2025年までに20万台程度、2030年までに80万台程度としています。2020年のFCV登録台数は761台、2021年は10月までに2,234台、対前年比は約2.9倍となっているので、多少普及は加速されているようです。また水素ステーションの整備目標は2020年度までに160箇所程度、2025年度までに320箇所程度としています。2030年に900ヵ所程度の水素ステーションを整備することを目指しています。実現の為には水素自体の価格、水素ステーション設置の低コスト化が必要です。一般には触れられていませんが、現在の高圧水素機器[圧縮機、蓄圧器等]の国内生産能力が経産省のロードマップに対応できていません。国内の生産能力の増強や海外製品の活用が必須となります。
水素・燃料電池戦略ロードマップでは水素の価格を2030年には1Nm3あたり30円、将来的には同20円に引き下げることを指針としています。

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朝日エティックでできること

水素ステーションは燃料電池自動車(FCV)に燃料の水素を充填する施設で、整備を進めることは脱炭素化に向けた取り組みとなります。朝日エティックでは水素ステーションの建設工事を承っております。

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水素ステーションの新設工事のみでなく、および既存給油所、企業様の施設の一部改修による建築工事を行っております。企画・建物設計・施工・メンテナンスまで、お客様のご要望に応じてご提案させていただきます。お気軽にお問い合わせください。

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