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2021.09.27

# 工事# その他

電気設備について解説!種類・工事内容・依頼先は?【節電時代の基礎知識】

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「電気設備」に関して、どこの電気工事会社に連絡・相談するべきか迷うこともあるのではないでしょうか。電気工事会社ならどこに頼んでもいいわけではなく、工事内容や規模によっては資格保持者でなければ携われない場合もあり、依頼する電気工事会社の対応可能範囲と、得意分野を事前に把握しておく必要があります。また生活に欠かせないインフラ設備だからこそ、不具合や故障などのトラブルが発生した場合は、早急に連絡・相談できることが重要です。

まず「電気設備とは」について、次に「電気設備工事と電気工事の違い」について、そして「電気設備工事の主な種類」や「工事を行うための資格」などについて解説いたします。「電気設備」の分野・種類・役割は広範囲かつ多岐に渡るため、全体像を把握したうえで、「電気設備工事」依頼先選びの参考にして頂ければと思います。
 

私たちの生活に欠かせない「電気」。その電気を作り、送り、そして使う設備のことです。もう少し細かく言うと、①電気を安定的に供給する発電から送電までの電気工作物、②電気を使用する機器、③電話や情報通信などの通信設備、④消防用設備、⑤防犯設備、などの社会基盤となる設備のことです。

電気設備イメージ

電気設備の分類・種類について

まず、電気設備は大きく分けて3つに分類されます。
■発電設備・・・代表的なものとして、水力発電、火力発電、風力発電、太陽光発電、原子力発電、蓄電池
■送配電設備・・・発電設備で作られた電気の通路(電線路)、及び使用する機器にその電気を変電、配電する設備
■構内電気設備・・・建物や施設の中で実際に電気を利用するための設備、機器類(モーター、照明、コンセントなど)
そして発電設備から送配電設備で構内電気設備を結んでいる全体の設備を「電気工作物」と言います。
 

電気工作物の種類

「電気工作物」とは電気を供給するのに必要な設備のことです。発電所、変電所、送配電線路をはじめ、ビル、工場、住宅等の受電設備、屋内配線、電気使用設備などの総称をいい、一般用電気工作物、事業用電気工作物、自家用電気工作物・電気事業用電気工作物と分類されています。

電気工作物説明

(1)一般用電気工作物

一般用電気工作物は、主に一般住宅や小規模な店舗、事業所などのように、他の者から低圧(600 V以下)の電圧で受電している場所などの電気工作物をいいます。いわゆる一般の住宅、小事業所、コンビニなどになります。
 

(2)事業用電気工作物

事業用電気工作物は、一般用電気工作物以外の電気工作物で、自家用電気工作物と電気事業の用に供する電気工作物に分類されています。

【自家用電気工作物】
「電気事業の用に供する電気工作物及び一般電気工作物以外の電気工作物(電気事業法第38条で)」と定義されています。事業用電気工作物であって、「電気事業(一定規模以下の発電事業を除く)の用に供する電気工作物」以外の、例えば工場やビルなどのように電気事業者から高圧以上の電圧で受電している事業所などの電気工作物(需要設備など)をいいます。具体的に説明をすると、電力会社などの供給会社から、600Vを超える電圧を受電して電気を使用する設備で、ビル、工場、病院、福祉施設、学校などの建物があげられます。しかし、600Vに満たない電圧を使用している事業所でも、小出力発電設備(太陽光発電設備(50kw未満)、風力発電設備(20kw未満)、内燃力発電設備(発電機などで10kw未満)、燃料電池(10kw未満)などを保有している場合でも、一部条件に該当する場合は当てはまりません。例えば、小出力発電機の出力合計が50kw以上の場合は自家用電気工作物となります。また従量電灯100Vと低圧電力200Vを使用する病院および介護・福祉施設などは、停電被害を回避・軽減するために、非常用発電機を設置している場合があります。この非常用発電機の出力が10kWを超える場合は、自家用電気工作物の扱いとなるので注意が必要です。

【電気事業の用に供する電気工作物】
「電気事業者が電気の供給を行うために設置される電気工作物で、発電、変電、送電、配電、電力用保安通信のための電気工作物、またはこれら設備を設置する事業所に設置される電気工作物」が該当します。主に、日本各地の電力会社などが運用している電気供給用設備が該当し、発電所や変電所といった大規模施設も、事業用電気工作物となります。ただし、電気事業者が所有している研究所や病院、社宅などは電気事業用電気工作物ではありません。
 

「電気設備工事」と「電気工事」の違いについて

電気設備工事とは、“電気を使用するための設備の工事”となります。つまり電気を建物施設の中に引き込み、分電盤からコンセントなどを通じて、私達が実際に電気を使えるようにする工事のことです。電気工事の中に含まれているのですが、電気工事では意味合いが幅広いので、限定的に区分し電気“設備”工事と呼ばれています。
 

電気設備工事の種類について

電気設備工事には「弱電」と「強電」が関係していきます。「電気信号による情報通信(通信・制御・情報)」として電気を使う場合は、消費電力が少ないため「弱電設備」に、「動力・電灯エネルギー」として電気を使う場合は、高い消費電力となるため「強電設備」になります。それぞれ使用電圧などによって分類されますが、具体的には、受変電設備・配電設備・動力設備・照明設備・通信設備・発電機設備などがあげられます。
電気設備工事の具体例として、「大型商業施設で、高圧電気を建物に引き込み各所で使用できる電圧に下げるための、受変電設備の設置」や、「事業所内での通信機器や、ショールームなどの音響映像設備の設置」などがあります。また設置したら終わりではなく、その後の点検やメンテンナス、修理などにも対応します。
 

弱電・・・情報通信(通信・制御・情報)としての電気設備

使用電圧48V以下の電気信号を指し、情報分野・セキュリティ分野・音響関連分野の3種類に分けられます。
■情報分野・・・電話、LAN設備、テレビ共聴設備、監視制御設備など
■セキュリティ分野・・・監視カメラなどの防犯設備、防災設備など
■音響関連分野・・・会議室・ショールーム・講堂・ホールなどの音響映像設備、放送設備など

電気設備(弱電)

 

強電・・・動力・電灯エネルギーとしての電気設備

使用電圧48V以上のエネルギーを指し、低圧(交流で600V以下・直流で750V以下)・高圧(交流で600~7000V・直流で750~7000V)・特別高圧(電圧7000V以上)の3種類に分けられます。
■低圧・・・工場などのプラント・家庭用のコンセント・エアコン設備など
■高圧・・・主に電柱の送配電線設備、高圧キュービクル設備など
※そこから電柱の上にある柱上変圧器というトランスを通して電圧を100V、200Vに下げて家庭に配られます
■特別高圧・・・規模が大きい工場・施設発電所や変電所で使用する設備など

電気設備(強電)

電気設備に関わる主な資格をご紹介

そんな電気設備工事の仕事にはさまざまな資格が必要です。例えば、弱電工事では「電気通信主任技術者」「工事担当者」「総合無線通信士」「陸上無線技術士」などの資格が、強電工事では「エネルギー管理士」「電気工事士」「電気工事施工管理技士」「電気主任技術者」などの資格が求められます。※工事内容によって変わります。
電気は取り扱い方を誤ると死亡事故に発展する恐れがあり、危険を防ぐため・安全に進めるためにも電気に関する知識を身につけておかないといけません。ここではそのプロフェッショナルな資格(一例)をご紹介します。

仕事風景

◎ 電気主任技術者

経済産業省が定める国家資格で、発電所や変電所、工場やビルなどに設置されている電気設備の保安・監督を行います。電気事業法では、事業用電気工作物を設置している事業主に対して、工事・保守や運用など保安の監督者として電気主任技術者を選任しなければならないと定められています。

◎ 電気工事施工管理技士

国土交通省が定める国家資格で、電気工事を全般的に管理・監督、施工計画の作成、工事の工程・安全・品質などの管理を行います。工事の監督者として携わる場合に必須となる資格であり、また電気工事の業種で建設業許可を受ける場合には、一般・特定それぞれの条件に見合った電気工事施工管理技士の資格保有者を専任または非専任技術者として配置する必要があります。

◎ 電気工事士

経済産業省が定める国家資格で、ビル、工場、商店、一般住宅などの電気工事を行います。屋内配線工事や外線配線工事、冷暖房設備工事やビル管理など、その業務内容は幅広く多岐にわたります。工事の内容によって、一定の資格のある人でなければ電気工事を行ってはならないことが法令で決められています 。

◎ 計装士

国家資格に準ずる公的資格で、プラントや工場、ビル等の計測制御機器の取付工事や、それに関連する配線・配管工事の設計や監督を行います。計装工事は、電気工事業や電気通信工事業、管工事業、機械器具設置工事業の許可を受けて進められる工事のため、建物が建設されていく以上、必要な資格となってきます。

無資格での素人工事は、危険を伴うだけでなく罰せられる可能性も!

電気工事に関する資格として種類によって作業範囲は様々ですが、無資格で行うと危険なだけではなく罰金または懲役刑が科せられる場合があります。「電気工事士法」というものがあり、電気工事に従事する者の資格や義務、電気工事の欠陥による災害の発生の防止について、しっかりと定められています。
適切な工事を行わなければ、漏電により、ケガや死亡に繋がる感電事故や、周辺への波及事故に発展する可能性がある漏電火災の原因にもなります。それだけ注意すべき対象だということを忘れてはいけません。仮に罰則が無かったとしても大変危険ですので、素人による電気工事は絶対にお止めください。

違反イメージ

まとめ

電気工事会社の「対応可能範囲」と「得意分野」を確認
このように電気設備は、私たちの生活にとって身近であり無くてはならない存在ですが、より高度な技術・専門的な知識、そして各資格が必要とされます。安全かつ適切に施工・工事するためにも、その道のプロフェッショナルに依頼することが重要となってきます。
当社では知識と経験豊富な有資格者が複数在籍しており、現地調査から計画、見積、施工完了まで対応いたします。「一般電気工事」はもちろん、「給油所電気工事」「プラント・工場等の電気・計装設備・防爆工事」、節電時代で今話題の「太陽光発電設備設置工事」「EV用充電器設置工事」などエコに関わる電気工事まで、幅広い分野で多くの実績があります。お困りごとなどございましたらお気軽にご連絡・ご相談頂ければと思います。


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