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公開日:2025.09.24
# 製品# 工事
店舗の電気トラブルは「経営危機」の予兆:分電盤から読み解くリスクと予防策
店舗施設の管理責任者の皆様、突如として起こる「店舗の電気トラブル」は、単なる設備の不具合で済まされないことをご存知でしょうか?ブレーカーが落ちて営業が一時停止したり、原因不明の漏電で機器が故障したり、最悪の場合、火災に繋がるリスクも潜んでいます。こうした電気トラブルは、売上機会の損失、顧客からの信用失墜、従業員の安全確保といった喫緊の経営課題に直結します。
特に、店舗の心臓部ともいえる「分電盤」は、あらゆる電気トラブルの発生源となる可能性を秘めています。しかし、その重要性にもかかわらず、日常の点検やメンテナンスがおろそかになりがちなのも事実です。
本記事では、店舗施設管理責任者の皆様が直面しうる様々な電気トラブルの具体的な症状と原因を、分電盤の構造から徹底解説します。さらに、トラブルが店舗経営に与える深刻な影響、未然に防ぐための予防策、そして万一の事態に備えるための専門家による診断・保守の重要性までを詳解します。貴社の店舗の「電気の安全」と「事業継続」を守るための実践的な知識を、ぜひご一読ください。
店舗施設の運営において、電気はまさに生命線です。照明、空調、レジ、冷蔵庫、調理機器、セキュリティシステムまで、あらゆる機能が電気によって支えられています。しかし、この「当たり前」の電気がひとたびトラブルを起こすと、その影響は想像以上に大きく、店舗経営を揺るがす事態に発展しかねません。店舗施設管理責任者の皆様は、電気トラブルがもたらす
3つの深刻な現実を認識し、適切な対策を講じる必要があります。
突然の営業停止:売上機会の損失と顧客の信頼失墜
ブレーカーの落下、漏電による停電、配線のショート––これらの電気トラブルは、店舗の営業を強制的に停止させます。特に、ピークタイムや重要なイベント中に発生した場合、その損失は計り知れません。
売上機会の損失: 営業停止は、その間の売上を0にします。飲食店であれば食材の廃棄、物販店であれば販売機会の逸失に直結します。
顧客からのクレーム: サービスが中断された顧客からは不満が寄せられ、最悪の場合、二度と来店しない原因となることもあります。
ブランドイメージの低下: 電気トラブルが頻発する店舗は、管理が行き届いていない、安全ではないというネガティブなイメージを与え、長期的なブランド価値を損ないます。
安全性の脅威:漏電・火災・感電のリスク
電気トラブルは、経済的損失だけでなく、人命に関わる重大な事故に繋がる危険性を常に孕んでいます。
漏電火災: 劣化した配線や機器からの漏電は、周囲の可燃物に引火し、大規模な火災の原因となります。店舗施設は多くの人が出入りするため、火災発生時の被害は甚大です。
感電事故: 漏電箇所に触れることで、従業員や顧客が感電するリスクがあります。感電は軽傷で済む場合もありますが、心臓への影響や高所からの転落など、命に関わる事態に発展することもあります。
機器の故障: 電圧の不安定さやショートは、接続されている高価な業務用機器を故障させ、多額の修理費用や買い替え費用を発生させます。
運用コストの増大:修理費用と見えない電力ロス
電気トラブルは、突発的な修理費用だけでなく、日々の運用コストにも影響を与えます。
緊急修理費用: 専門業者への緊急対応依頼は、通常のメンテナンスよりも高額になりがちです。
電力ロス: 漏電や古い配線は、電気を無駄に消費している可能性があります。これは「見えない電力ロス」として電気料金を押し上げ、経営を圧迫します。
設備の寿命短縮: 不安定な電力供給や過負荷は、接続機器の寿命を縮め、計画外の設備更新費用を発生させます。
これらの現実に直面しないためにも、店舗の電気トラブル、特にその心臓部である分電盤に対する理解と適切な対策が不可欠です。
店舗の「電気の心臓部」分電盤の基礎知識
電力会社から供給される電気は屋外の電力量計を経由して住宅やビルなどの建物に送られ、まず分電盤に入ります。分電盤は、使用する電気の種類で分けられます。コンセントや照明器具、エアコンなどへ供給する単相3線式(100V/200V)を分電する電灯用分電盤、動力モーターなどへ供給する三相3線式(200V)を分電する動力用分電盤があります。
分電盤内では複数の回路に分けられ、各コンセントや照明器具、エアコン、動力モーターなどの様々な電気機器へ分配、供給し、あわせて電路の異常を素早く検知し保護する役割を果たします。
分電盤に入った電気は、いくつかのブレーカーを経由します。最初にリミッター、次に主幹ブレーカーを通り最後に分岐ブレーカーで各回路に振り分けられます。これらのブレーカーは様々な種類があり、電気の異常を検知した際は自動的に電気を遮断し大事故を防ぎます。それぞれのブレーカーは役割が決まっており、安全性を高める様々な機能が付いています。
ブレーカーの種類
ブレーカーの種類には、リミッター、安全ブレーカー、漏電ブレーカーがあり、それぞれ安全性を高める機能が付いています。
リミッターは、サービスブレーカーとも呼ばれ、分電盤で一番初めに電気が入るブレーカーです。これを見れば契約電気容量を確認することができます。電気の使い過ぎで契約の電気容量を超えた場合に、住宅やビルなどの建物に送られるすべての電気を遮断する役割を持っています。
安全ブレーカー(過電流遮断器)は、分電盤から各コンセントや照明器具、エアコン、動力モーターなどの様々な電気製品へ続く分岐ブレーカーとして使われることが多く、場合によっては主幹ブレーカーに使われることもあります。サーキットブレーカーとも呼ばれ、許容電流を超えた場合に電源供給を遮断し、配線や機器を守る役割を果たしています。
漏電ブレーカー(漏電遮断器)は、主に主幹ブレーカーに使われることもありますが、最近では分岐ブレーカーに使われることも多くなってきています。基本的には安全ブレーカーと同じですが、違いは電気機器や配線からの電気の漏れ(漏電)に対して安全が保たれています。万が一、漏電ブレーカーが作動した際は、配線や絶縁体の劣化、ホコリ等によるアースへの短絡が原因として考えられ、感電や発火による災害を未然に防ぐ為にも速やかな対応が必要になります。
分電盤の復旧方法(上げ方)
分電盤内のブレーカーがOFF(遮断する。落ちる。トリップする。などと呼ばれます。)すると、OFFしたブレーカーに接続される電気機器の電源が切れてしまいます。分電盤内のブレーカーがOFFする原因は3つあり、①契約電気容量を超えた時、②分岐回路の電気容量が制限を超えた時、③漏電した時です。
復旧するには、OFFしたブレーカーをONすれば良いのですが、契約電気容量や制限容量以上の電流が常に流れる状態や常に漏電していると、ブレーカーをONしても直ぐにOFFになってしまいONできないことがあります。このような場合は、使用している電気機器をコンセントなどから取り外し再度ONするか、それでもOFFになってしまうときは、ブレーカーをOFFのままにして専門家に診てもらうことをお勧めします。
また、漏電ブレーカーが漏電を検知してOFFした場合、漏電ブレーカーの漏電確認ボタンが飛び出してスイッチツマミがONとOFFの中間に位置します。これをONする時は、スイッチツマミを一度OFF(漏電確認ボタンが引っ込む)にして、その後ONします。
漏電ブレーカーを主幹ブレーカーに、安全ブレーカーを分岐ブレーカーとしている構成の分電盤に漏電が発生すると主幹ブレーカー(漏電ブレーカー)がOFFとなり、照明など全ての電気機器がOFFします。この場合の復旧方法は、分岐ブレーカー(安全ブレーカー)を一旦全てOFFし主幹ブレーカー(漏電ブレーカー)をONします。次に分岐ブレーカーを1つずつONしていき、主幹ブレーカーがOFFした分岐ブレーカーの場所が過電流もしくは漏電している回路となり、その分岐ブレーカーをOFFのままにして、それ以外の分岐ブレーカーを全てONにして復旧します。日中でも暗い場所や夜間に起こると真暗闇でこれらの復旧作業を行うことになります。
このように、分電盤は使用するブレーカーの組合せによって、復旧の難易度が大きく変わってきます。契約電気容量や制限容量の超過や漏電が起こることは稀で復旧方法を忘れてしまいますので注意が必要です。
朝日エティック株式会社が新規に開発した分電盤支援システム「FreAs(フレアスと読む)」は、分電盤内のブレーカーがOFFした場所やその重要性を判定して、表示装置に異常発生と警報を出力します。更に、復旧に向けた作業ガイダンスも表示しますので、復旧作業を強力にサポートします。復旧作業が終わった後も、故障した電気機器メーカーの連絡先を表示しますので、探さず、手間なく、早急に修理依頼の連絡をとることが出来ます。このように、店舗等の分電盤に「FreAs」を取付ければ、電気故障による店舗営業における機会損失を大幅に削減することが出来ます。
→分電盤の復旧支援システム FreAsのページをみる
分電盤の交換やブレーカーの増設
分電盤の交換やブレーカーの増設を行うには電気工事士の資格が必要です。これは電気工事士法に定められており、有資格者や業者に依頼しなければなりません。分電盤の設置状況や接続される電気機器によって必要な施工内容や費用が変わります。
「FreAs」の分電盤への取付けは、新設、既設の分電盤を問いません。当社には電気工事士有資格者が多数在籍しておりますので、分電盤の交換やブレーカーの増設にも柔軟な対応が可能です。
⇒電気計装工事の事業ページをみる
分電盤の法規
分電盤に関係する主な法規、規格及び技術資料は次に示すようなものがあります。
主な法規
・電気事業法
・電気工事士法
・電気用品安全法
・労働安全衛生法
・建築基準法
・消防法
主な技術規格、技術資料
・日本電気協会電気技術規程(JEAC)
JEAC 7001 配電規程(低圧及び高圧)
JEAC 8001 内線規程
JEAC 8011 高圧受電設備規程
JEAC 8701 低圧電路に使用する自動遮断器の必要な遮断容量
JEAC 9701 系統連系規程
特に、昨今の国内外の自然災害や電気災害を鑑みて内線規程が頻繁に改定されています。
内線規程 3章保安原則 1365節
1971年(昭和46年)電気設備技術基準に漏電遮断器の設置義務規定
⇒主幹ブレーカーに漏電保護機能を標準搭載
1992年(平成4年) 内線規程に中性線欠相保護機能付の設置義務掲載
⇒主幹ブレーカーに中性線欠相保護機能を標準搭載
2011年(平成23年)内線規程にコード短絡保護機能付の設置勧告掲載
⇒分岐ブレーカーにコード短絡保護機能を標準搭載
2016年(平成28年)内線規程に感震遮断機能付住宅用分電盤の施設勧告、推奨掲載
「FreAs」は、電気設備基準や内線規程などの技術規格に準拠しており、更に情報通信機器としてCISPR32 Class-A相当のEMCエミッション性能やIEC61000 class-B以上のFTBイミニティ性能(Lv3)、雷サージイミニティ性能(Lv3)を有しております。
→問い合わせ
⇒電気計装工事の事業ページをみる
https://www.etic.co.jp/feature/iot-distribution-board/以上のように、朝日エティック株式会社は、看板、電気、建築、塗装を主軸事業としており、これらの事業分野においてデジタル化へ向けて、センシング技術や情報技術を駆使して新しい価値創造を進めてまいります。
創業70年、信頼と実績を培ってきた当社の社員が大切なお客さまに店舗運営の安心をご提供いたします。急に電気が止まってしまった!など店舗運営トラブルや電気設備の各種不具合対応はお任せください
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