特集

2021.07.07

# 製品# その他

何故、LEDは省エネなの? | LEDが省エネになる理由

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何故、LEDは省エネなのでしょうか。それはLEDの発光効率が良いからです。発光効率とは、その照明の消費電力当たりの明るさ(光束)で表され、単位はlm/W(ルーメン・パー・ワット)です。
数値が高い程効率が良い、即ち省エネになります。
ローソクの発光効率が約0.3 lm/W、40Wの白熱電球が約12 lm/W、蛍光灯が40~110 lm/Wです。LED照明に用いられる白色LEDの発光効率は、当初は20 lm/W程度でしたが、最近では、200 lm/Wを超える省エネ効果の高いものが作られています。
但し、上記の数値はランプ部分のみの効率であり、蛍光灯や放電ランプで必要となる安定器や、LEDで必要となる定電流駆動回路等で生じる損失を含んでおりません。
それらの損失を含んだLED照明器具としての発光効率も、LEDを始めとする各種材料の開発や改良が進み、照明メーカー各社の競争により、従来の器具よりも急速に性能が向上し、省エネ効果の高いものになっております。


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エネルギー変換効率とは

一方、エネルギー変換効率とは、入力した電気エネルギーを可視光線(人間の目で見ることのできる波長の電磁波)にどれだけ効率良く変換できるかという指標です。白色LEDでは、光の一部はLED内部に吸収されるか反射され続けて、LEDの外には出てきませんが、入力する電気エネルギーを100%とした場合、現在ではLEDの変換効率は約40~50%にまで向上していると言われております。残りの約50~60%は熱エネルギーに変わりますが、他の光源に比べ発熱によるロスは非常に少ないと言えます。
白熱電球の変換効率は10%程度、蛍光灯の場合は20%程度です。白熱電球の場合、電球内部のフィラメントと呼ばれる細い金属を電気で加熱し、その熱放射の際に発生する電磁波の可視光線を明かりとして利用します。変換効率が10%というのは、フィラメントの発熱に使われた電気エネルギーのうち、わずか10%だけが可視光線に変わるという意味です。残り90%の電気エネルギーは、紫外線や赤外線などの不可視光線や熱に変わってしまいます。
それに対し、LEDの変換効率は約40~50%です。LEDの発光原理は、白熱電球のように熱放射によるものではなく、半導体が電気エネルギーを直接光に変換するというものです。更に他の照明とは異なり、発光するほぼ全ての光が目に見える可視光線で、照明としての無駄が少ないことも大きく影響しています。この発光原理により、電気エネルギーの大半を可視光線に変えるという非常に優れた変換効率を実現している訳です。言い換えると白熱電球と同じ明るさのLED照明は、圧倒的に少ない消費電力で、発熱を抑えながら効率良く発光させることが可能、すなわち省エネという訳です。
また、白熱灯など従来光源は、約360度全面に光が拡散し、照明器具としては一部の光を有効に利用しきれませんが、LEDは、点光源で指向性があるので、素材固有のロスはあるもののレンズや反射板を用いて光を有効に活用できます。無駄になる光を抑え器具効率を高めることができ、結果的に省エネを図ることが出来ます。

LED

水銀ランプからLED照明器具へ取り換えた場合の省エネについて

例えば、400W水銀灯、35台をLED照明器具、35台に取替えると
415W×35台=14.5KW ⇒ 123W×35台=4.3KW、約70%省エネ
年間電気料金 1,176,500円 ⇒ 348,700円、約83万円削減 と抜群の省エネです。
【計算条件】年間点灯時間:3,000時間 電力料金単価:27 円/kWh(税込)[日本照明工業会 ガイド A139] 【設計条件】広さ:32m×20m、高さ:8m、反射率:天井30%、壁30%、床:10%、入力電圧:200V【設計照度】500lx
交通信号を例にとると、従来電球式の消費電力量は70Wだったのに対し、LEDでは12Wで済むようになりました。一般的にはLEDの消費電力量は、白熱電球の1/6と言われており、グロースターター式やラピッドスタート式の蛍光灯と比較しても50%削減され、水銀灯の1/4から1/5とLEDの省エネの高さが判ります。これらのことからCO2の削減にも大きく貢献し、地球温暖化防止にも大きな役割を果たしております。

LEDのメリット・デメリット

LEDは白熱電球や蛍光灯など従来の照明よりも省エネ効果が高いと言われています。その他にも様々なメリットがあります。

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メリット

長寿命

白熱電球は約1,000~2,000時間、蛍光灯は約6,000~12,000時間、水銀灯12,000時間であるのに対し、LEDの光源寿命は約40,000~60,000時間です。
40,000時間のLEDを1日10時間点灯、年間3,000時間点灯していたとしても、10年間は寿命がもつということになります。白熱電球の約40倍、蛍光灯の約4倍、水銀灯の約5倍も寿命が長いのです。
LEDの定格寿命とは光源が点灯しなくなるまでの総点灯時間または、全光束(光の量)が点灯初期に計測した値の70%に下がるまでの総点灯時間のいずれか短い時間を推定したものと規定されております。
半導体であるLEDはとても寿命が長いですが、照明器具に使われている材料などが劣化してしまう為、年数を経過すると光が弱くなってしまいます。製品本来の力を発揮できない状態になってしまう為、8~10年が交換の目安とされています。
白熱電球なら数か月、蛍光灯なら数年で交換となってしまう為、それに比べるとLEDは劇的に交換頻度が低いということがわかります。特に高所に設置されている水銀灯などは、交換の際にランプ費用だけではなく、労務費や高所作業車などの費用が発生するため、交換作業にかかる費用が削減できるのは大きなメリットです。
その為、水銀灯代替器具には光源寿命60,000時間の製品が数多く開発されております。

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水銀や鉛、Cdなど使用していない

蛍光灯や水銀灯の一部製品は「水俣条約」によって製造や輸入の禁止が始まっています。
LEDは発光原理上、電気エネルギーを直接光エネルギーに変換する為、水銀や鉛、Cdなどを含んでいません。環境にやさしい光と言えます。

紫外線を出さない

LEDの光には、昆虫が好む紫外線を出さない為、虫が寄り付きにくく、虫の死骸で器具が汚れることも少なくなります。白熱電球、蛍光灯とも紫外線が含まれているため、照射対象物の退色・劣化などの原因となりがちです。しかしLED照明なら、紫外線がほとんど含まれていない為、重要文化財や博物館などの大切な展示物をより安全に長期間、展示し保存することが出来ます。

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デザイン性が高い

従来の照明器具に比べて、LEDの持つ小型・軽量、低発熱などの特徴を活かして、LED照明器具は薄くコンパクトに設計されており、デザイン性が優れております。照明メーカー各社は、様々なラインナップを用意しており、あらゆる従来の照明器具からも更新出来るように、多品種のLED器具が開発されています。
更に、最近では自動車のヘッドランプや各種ランプにもLEDが採用され、様々な個性的デザインが見られるようになりました。
LEDはデザイン性以外にも、光源のカバーに樹脂を使用している為、従来の蛍光灯や白熱灯のようにガラスの破損による事故を防げます。

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様々な色の表現が可能

LED照明は様々な白色光(昼光色、昼白色、白色、電球色など)を出すことが可能です。これは光の色を温度で示す為、「色温度」と呼び単位は「K(ケルビン)」で表します。
同じ白色LEDでも、色温度が低く赤味が強い「電球色(2,700~3,000K)」、色温度があがるにつれ黄色みを帯びた「温白色(3,500K)」、更に高くなると青みがかった白い光「昼白色(5,000K)」、更に青みがかった「昼光色(6,500K)」という表現が可能です。
色温度の低い電球色は落ち着いた空間に、色温度の高い昼光色は作業スペースにと、導入の際には、それぞれの場所や目的に合わせて光の色も考慮してみてはどうでしょうか。最近では調色機能付きのLEDが普及しており、リモコン1つで様々なあかりの空間を演出することが可能となっています。
また、近年、照明やLEDのメーカーは「ひかりの質」や「ひかりの機能」を追求する傾向が強くなっております。
被照射物の色の見え方を追求することとして、演色性を表す平均演色評価数Ra≧90以上のLED、その他の人肌の色や赤色など特殊演色性の向上も目指しています。また、医療照明やスタジアム照明に最適なLEDも開発中です。
更に、心身疲労軽減、作業効率向上、サーカディアンリズム(概日リズム)を整える、リラックスのあかり、活力の光、活動と休息といったシーンに応じた調色など、光の質と機能の向上が大きなポイントになっていると思われます。
更に、新型コロナウィルスによる感染拡大という社会問題の影響もあり、従来の紫外線を出さないLEDではなく、紫外線を出すLEDの開発も激化してきており、細菌の不活性化や、あかりによる細菌の感染予防も大きな課題となっております。

シミュレーションの活用

LEDへの取替え時の検討資料として、照明メーカーによる照度分布図(照明シミュレーション)が参考になります。
現在の建物の図面や照明器具の配置図などをもとに既存の器具をLEDに交換した時の明るさや光の広がり具合をシミュレーションした図面です。
また、BIM「Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)」用に作成したLED器具の照度分布データを利用して、3次元モデルを作成し、設計時点から建築全体の中で照明データを活用することも可能になって来ています。

デメリット

初期費用がかかる

初期費用については、LED照明器具のコストも年々下がってきており、省エネ性能が高いことから、既存器具とのランニングコスト(消費電力×点灯時間×電気料金)の差額も年々大きくなっています。その為、規模にもよりますが、数年で償却できるようになりました。初期費用は発生するものの、省エネにより電気代を大幅に削減できる為、トータルで見るとLEDの方が断然お得に使えるようになっております。

LEDは光が広がりにくい

白熱電球や蛍光灯は、360°全ての方向に光を照射し、器具本体の反射板を活用し空間を明るく照射しています。しかし、LEDは構造上、光が広がりにくい性質を持っています。直下照度は明るく感じますが、光の広がりが少なく、暗くなった印象を受けることがあります。また、LEDは指向性が強く、グレアを感じやすい傾向にあります。
現在では光の広がり方を改良したものや、グレア対策を装備したLEDも開発されており、製品によってはデメリットをカバーすることが可能です。

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更なる省エネ

LEDの更なる省エネは、センサや制御システムなどを用いてこまめに調光や消灯を行うことで実現出来ます。
人感センサ付きの器具も多数開発され、家庭では、玄関、廊下、階段などの部位でスイッチ操作なしで点灯、消灯することが出来ます。これにより、LEDの特徴である省エネ、長寿命に加えて、利便性が向上し、人がいないときの不要な電力を削減することで更なる省エネが可能となっています。
また、オフィスや店舗ではLEDの応答速度が速い、スムーズな制御が可能といった特性を利用して、センサとの連動やマイコン制御により様々な省エネ操作が可能です。
年間タイマーやセンサにより外光の明るさを検知した部分調光や一括調光、Wifiや無線通信、PLC(電力線搬送)通信を利用し信号配線を省略した制御システムなどを有効に活用した更なる省エネが可能です。

まとめ

LEDは高効率、小型軽量、調光調色が可能、そして長寿命という、光源として極めて優れた特徴を有しており、これまでの光源の置き換えとしての普及は当然と言えます。
しかし、LEDの可能性は単なる光源の置き換えに留まりません。
従来の照明器具は物を明るく照らし、自然光のない環境においても生活することを可能として来ましたが、LEDのもつ極めて高い波長特性や高度な制御に加え、LED自体による「ひかりの質」や「ひかりの機能」の進化により、人の心理や生理により良い影響を及ぼすことが出来る光源なのです。
LEDはこれまでの照明の役割をも大きく変える可能性を持っているのです。

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