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特集
2023.10.30
# 塗装工事# 工事
工場・倉庫の床塗装【重要な理由、塗料の違いを解説】
安全性の向上
工場や倉庫では「効率的に稼働できているか」の他に、従業員の方達が「安全・快適に作業できる環境であるか」も求められます。土台である床に不具合が生じている場合、従業員の転倒など予期せぬ事故に繋がる可能性があります。今もし床に不具合がある場合は、万が一の事故が起きてしまう前に、早めの修繕をお願いいたします。
作業効率の向上
工場・倉庫の特性に合わせた塗料を使用することで、傷が付きにくくなったり掃除しやすくなったり、より長くより安全性の高いキレイな床となります。しっかりと整備された環境は、従業員の意識向上・作業効率アップにも繋がりますので、工場・倉庫の床塗装のメンテナンスを迷われている方は、これを機に是非ご検討をお願いいたします。
床塗装工事で実現できる機能
耐水性・耐熱性・耐酸性・耐アルカリ性・耐薬品性・耐油性
「水や熱から守る」、「薬品や油から守る」、「摩耗や腐食から守る」など、塗装には床を保護して耐久性をアップさせる役割があります。外壁などの塗料とは全く異なり、使用環境や用途に合わせて床専用の塗料を使用し、さまざまな工法で下地コンクリートに塗装していきます。どの塗料良いのかどの工法が良いのかは、経験や知識があってこそ判断できる範囲ですので、実績多数の床塗装業者に相談いただければと思います。
防塵性・抗菌性・耐電防止性・誘電性
例えば食品工場や製薬工場などは、粉塵の製品混入や設備機器の不具合を防ぐためにも、摩擦による発塵を防ぐ「防塵の床」が必要ですし、クリーンルームや電子部品を収納する倉庫などは、静電気による異物の付着や部品の不具合を防ぐためにも「帯電防止性・誘電性の床」が必要になります。下地コンクリートを剥き出しのままにせず、摩擦による発塵を防ぐ塗装などを行い、環境や用途に応じた対策をしましょう。
耐衝撃性・耐摩耗性・防滑性
フォークリフトや重量物の移動があるエリアや、大型設備などが設置してある施設の床は非常に負荷がかかっています。下地のコンクリートはこうした摩耗に弱く、日々の負担から傷みが蓄積され、ひび割れなどの劣化に繋がってしまうため、予め耐久性や耐衝撃性の強い床にしておくことが理想的です。
美観性・美装性
下地コンクリートを塗装することであらゆる効果と同時に、見た目的な向上も得られます。日々そこで働く従業員の方のモチベーションや、外部の方を招いた時の印象にも関わってきます。企業にとって「イメージ」も非常に大切で、【美観を気にする=定期的なメンテナンス実施】にも繋がりますので、異常や不具合を感じたら早めに床塗装をご検討ください。
工場・倉庫の床に適した塗料
まず床塗装は「薄膜塗床」と「厚膜塗床」の2種類に分けることができます。用途によって、材料・厚み・グレード次第でコストも大きく変わってきますので、どのような用途の床なのか、どこまでの精度が必要なのかを予め把握しておくことが重要です。
樹脂の種類 | 施工難易度 | 耐久性 | 耐熱性 | 耐候性 | 耐薬品性 | コスト |
アクリル樹脂(薄膜) | ◎ | × | × | ○ | △ | ◎ |
ウレタン樹脂(厚膜) | △ | ○ | × | △ | ○ | △ |
アクリルウレタン樹脂(薄膜) | ○ | △ | × | ◎ | ○ | ○ |
硬質ウレタン樹脂(厚膜) | △ | ○ | ○ | × | ○ | △ |
水性硬質ウレタン樹脂(厚膜) | × | ◎ | ◎ | × | ◎ | × |
エポキシ樹脂(薄膜・帯電防止) | ○ | ○ | × | × | ◎ | ○ |
エポキシ樹脂(薄膜) | ○ | △ | × | × | ◎ | ○ |
エポキシ樹脂(厚膜) | △ | ○ | × | × | ◎ | △ |
メタクリル | ○~△ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | △~× |
樹脂の種類 | おすすめ場所 | 具体例 |
アクリル樹脂(薄膜) | 防塵目的の軽作業場、車両などの利用がない | 店舗・事務所・通路・廊下・機械室・電気室 |
ウレタン樹脂(厚膜) | 防塵目的の軽作業場、車両などの利用がない | 店舗・事務所・通路・廊下・機械室・電気室 |
アクリルウレタン樹脂(薄膜) | 防塵目的の軽作業場、車両などの利用がない | 店舗・事務所・通路・廊下・機械室・電気室 |
硬質ウレタン樹脂(厚膜) | 耐衝撃性・耐薬品性・耐熱性・耐油性 | 機械工場・整備工場・印刷工場・薬品工場、重量物が通る通路 |
水性硬質ウレタン樹脂(厚膜) | 耐衝撃性・耐薬品性・耐熱性・耐油性 | 機械工場・整備工場・印刷工場・薬品工場、重量物が通る通路 |
エポキシ樹脂(薄膜・帯電防止) | 耐摩耗性・耐薬品性・帯電防止性 | クリーンルーム・電子部品工場 |
エポキシ樹脂(薄膜) | 耐摩耗性・耐油性 | 機械工場・印刷工場・薬品工場・食品工場、重量物が通る通路 |
エポキシ樹脂(厚膜) | 耐摩耗性・耐衝撃性・耐薬品性・耐油性・抗菌性 | 機械工場・印刷工場・薬品工場・食品工場、重量物が通る通路 |
メタクリル | 耐摩耗性・耐衝撃性・耐薬品性 | 機械工場・食品工場・薬品工場・厨房 |
床塗装補修工事の流れ
床面の現状把握/プラン検討
まず、現状の仕様、不具合状況(既存床面の補修が必要なのかなど)を確認します。そこまで劣化していないように見えるひび割れも、実は内部まで劣化が進んでいたということもありますので、念入りに確認します。
床メンテナンスで一番気になるのは「稼働を止められない」というお悩みかと思います。部分的にご利用できなくなる箇所は出てきますが、場内の動線や、ご近所様への配慮を考えつつ、工程を考えていきますので、ご安心ください。
下地処理/劣化箇所の補修
塗装前に下地処理をしていきます。新しい塗料の付着・接着を強固にするためには、この下地処理が非常に重要になります。塗装してもすぐ剥がれてしまう理由は、下地処理が不十分なことが挙げられます。
具体的には、ホコリや油分の汚れを清掃、剥がれかけている古い塗膜をワイヤーブラシや研磨機で除去していきます。また凹凸やひび割れ・傷に対しては、下地補修材で埋めて予め平らにしておきます。このとき施工場所が、食品工場や医療施設、医薬品工場、機械工場などの場合は、粉塵や臭気防止のためしっかりと養生いたします。
プライマーの塗布(下塗)
下地処理を行ったあとはプライマーを塗ります。このプライマーには下地(コンクリートなどの素材)と上塗りとの接着を補う役割があります。
一般的には、「プライマー(下塗) ⇒ 仕上げ塗装(上塗)」を行いますが、「プライマー(下塗) ⇒ 中塗 ⇒ 仕上げ塗装(上塗)」と数回にわけて塗る場合があります。またプライマー処理が2回必要な場合もありますので、床面の材質や用途、それぞれの仕様に基づいた施工をしていきます。
塗装の実施/乾燥
施設の用途や、耐熱性・耐候性・耐薬品性など機能の必要性から最適な塗料を選び、数回にわけて均一に塗装していきます。色分けやライン引きも対応可能です。
塗料によっては数時間で乾くもの、24時間以上で乾くものなど種類によって乾燥時間が異なります。1回で塗装が終わらない場合は、稼働状況やスケジュールをみて、細かくスペースを区切って数日にわけて行います。お仕事に影響が出ないよう事前に十分擦り合わせてから塗装いたします。
完成
トップコート塗装を行い、完成です。塗装工事は下地処理から塗り重ねなど、たくさんの作業を行います。これは、単純に仕上がりを良くするだけの工事ではなく、床を長持ちさせるための工事でもあります。
床面に傷や凹凸が無ければ掃除やメンテナンスがしやすくなりますし、床の不具合による人の転倒や資材の落下も起こりにくくなります。定期的に塗装工事を行うということは、「建物・人・品物」を守るということに繋がってきます。
床メンテナンスのタイミング
床がデコボコしている、ヒビが入っている
第一に、そこで働く従業員の方達の安全を考える必要があります。床に不具合が生じている場合、転倒などによる事故の危険性が高まり、また運搬中の製品や資材が落下するなどの損害に繋がる恐れもあります。またそのまま放置しておくと劣化が早まり、修繕にかかるコスト・時間が予想以上にかかってしまいます。
通路・作業場・製品置場など区分けされていない
整理整頓は製品の品質に大きく関わっています。乱雑に置かれた状況、どこに何が置かれているか把握しきれていない状況は、製品の品質低下、ヒューマンエラーなどに繋がります。また作業場と通路が明確に区分けされていないと、機械接触などの危険にも繋がります。ライン引きで場内をしっかり区分できているかも重要なポイントになります。
床の汚れが落ちない、傷がつきやすい
工場の床は機械油やゴミなどの汚れが溜まりやすく、油に関しては滑る危険性があり、悪臭は衛生面の問題にも繋がります。またフォークリフトや重量物の移動でも傷みは発生しやすく、そこからひび割れなどのさらなる劣化に繋がるため、洗浄のしやすさ、耐久性や耐衝撃性の高い床が理想的です。
工場・倉庫における塗装工事の課題/解決
【課題 1】:営業・稼働の停止ができない
【解決 1】:数日にわけて少しずつ部分的に塗装をしていくことも、定休日や連休を利用して営業日に支障が出ないように実施することも可能です。
床塗装のために「生産を止めることができない」「運営を止めることができない」という工場や倉庫がほとんどです。とはいえ塗装工事をしている間、施設全体の作業を止めなければいけないという訳ではありません。部分的にご利用できなくなる箇所はございますが、営業中での塗装も可能です。当社ではお客様の状況に合わせたスケジュール提案、営業に支障が出ないよう工事の進め方を調整させていただきます。
【課題 2】:過剰な高性能塗料でコストが心配
【解決 2】:ご予算や状況にあわせて、どの塗料でどの工法が適しているか、メリットデメリット含め経験豊富なスタッフが丁寧にご説明いたします。
高性能な塗料を選ぶメリットはたくさんありますが、使用環境や用途によってそこまで必要ない場合もあります。予算や状況に合わせてどの塗料でどの工法が適しているかは、実績と知識があってこそ判断できるところですので、塗装専門家に依頼する方が、仕上がり・コストも含め満足いく結果となります。当社では、事前のヒアリングと現地調査を踏まえ、ご予算に合わせたお見積もりを提示いたします。金額や施工内容にご納得いただいた上でご依頼いただければと思います。
床塗装業者の選定について
実績が豊富か
実績が豊富ということは、その分皆さまから信頼され選ばれ続けているということです。またこの業界だけというわけではなく、さまざまな施設・規模での経験がある業者だとなお良いと思います。事前に計画を立ててその通り進められるのが一番ですが、もし施工の途中に予期せぬトラブルが発生したとしても、今までの知識と経験から状況に合わせて臨機応変に対応してくれることでしょう。
親身にヒアリング・相談にのってくれるか
施工期間やコストなど、ご自身の状況によっては懸念点がいくつかあると思いますので、「どんな事にこまっているのか…」「どんなことを実現したいのか…」を事前にしっかりヒアリングしてくれる業者を探しましょう。その為には複数問い合わせて比較する必要があります。ヒアリングの時点から親身な対応、経験あってこその新たな提案ができる業者は、きっと施工も丁寧に遂行してくれるはずです。
下地処理をしっかり行ってくれるか
「下地処理」とは、既存の塗床材をカッター・研磨・研削処理などで撤去し、下地コンクリートの面を一度出してきれいにすることをいいます。新たに施工する塗料の付着・接着を強固にするためには、この下地処理が非常に重要となってきます。下地処理を疎かにすると仕上げが悪くなり、剥がれやひび割れの原因となります。一部の業者の中には下地処理を行わずに施工することもあり、キレイに仕上がっているようで後々問題が出てくることもありますので、見積り内容の内訳などしっかり見て工法などを確認しましょう。
よくあるご質問
床塗装の耐用年数はどれくらいですか?
基本的に塗床の耐用年数は設定されてません。
施工後の使用環境・塗料の選定・施工方法、自然環境などによって、老化の速度が著しく変わります。その為基本的に、塗床は耐用年数、品質保証の設定されてません。上記の状況確認を行った上で、最適な施工方法を選択し長持ちさせる施工ができる業者を選びましょう。
床塗装にかかる費用はどれくらいですか?
塗床塗装は、使用環境(薬品汚染、衝撃、急激な温度変化)自然環境、自然環境(汚染状態、カビ)等によって塗料の選定が変わります。事前調査、事前協議ごでないと明確な費用はご提示できないのが現状です。
現状のお悩みも含めまずはお気軽にお問い合わせください。
15事業展開の当社だからできる「施設トータルメンテナンス」
塗装工事以外にメンテナンスが必要な箇所も、現地調査にてチェック
大切な資産である工場・倉庫を、より長く、よりベストな状態に保つためにも、塗装以外のメンテンナスも重要になってきます。
当社は、「建築・土木工事」、「内外装工事」、「電気・計装・防爆工事」、「看板工事」など塗装工事以外のあらゆる事業も展開しており、施設にいま必要な修繕工事もあわせて一括対応することができます。
施設の大規模なメンテナンスとなると、それなりの期間・コストがかかってきますが、不具合が起きてから対策をすると、より大掛かりな改修工事が必要になり、期間・コストも想像以上にかかる可能性があります。また材料費などの価格高騰が続いており、今後もさらに上がって来ると予想されますので、問題が発生してからと言わず、余裕がある今のうちに施設のトータルメンテナンスの計画をオススメいたします。お悩み・相談事などありましたら、まずはお気軽に当社までお問合せください。
※「塗装」と「塗床」は厳密に言うと意味合いが異なりますが、イメージしやすい為、全体的に塗装という表現を使用しています。