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公開日:2025.04.08 最終更新日:2026.04.21

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【企業向け】電気代削減:今すぐ始める4つの電力コスト最適化

持続可能な経営を目指す電気代削減対策

高騰を続ける電気代は、多くの企業にとって喫緊の経営課題となっています。夏季の電力需要増加に加え、中東情勢に起因する燃料価格の高騰は、今後も電気料金の上昇要因として予測されており、企業収益への直接的な影響が懸念されます。
 
しかし、電気使用量の最適化に取り組むことで、これらのコストは抑制することが可能です。外部要因に左右されにくい、持続可能な企業経営を実現するため、本記事では電気代削減に向けた電気使用量最適化の方法をご紹介いたします。

電気代コストを左右する主要設備とは?

電気代削減を検討するには、まず「どこから手を付けるか」を考えなくてはなりません。
以下のグラフは、「卸・小売業」および「製造業」における夏季・冬季の電力消費内訳を示しています。
左側が夏季、右側が冬季のデータです。業種は大きく異なりますが、いずれのグラフにおいても、空調および照明が電力消費全体に占める割合が高いことが見て取れます。これらは事業活動において不可欠な設備であり、通常、稼働を停止することは困難です。

■卸・小売店の電気消費内訳

電力消費の内訳(卸・小売店-夏季)

電力消費の内訳(卸・小売店-冬季)

■製造業の電気消費内訳

電力消費の内訳(製造業-夏季)

電力消費の内訳(製造業-冬季)

出典:資源エネルギー庁
夏季の省エネメニュー 事業者向けメニュー(本州・四国・九州版)
冬季の省エネメニュー 事業者向けメニュー(本州・四国・九州版)

対策1:照明器具のLED化

照明器具LED化による電気代削減対策

LED化による電気代削減は非常に効果的です。蛍光灯と比較したとき、LEDは消費電力50%削減となります。
そのほかにも長寿命(蛍光灯の約4倍)で光源の発熱量も少ないといった特徴があり、維持管理コストの軽減、そして間接的に空調の稼働を軽減する効果も期待できます。
蛍光灯は2027年末に製造・輸出入禁止となってしまうため、今後駆け込み需要による価格高騰や工事日程の調整がつかなくなる事態も懸念されます。
LED化は早めに検討を進めることをお勧めします。

導入事例


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対策2:空調利用の最適化

排熱の効率を上げて空調利用を最適化

空調設備の電力消費を抑制するためには、機器の過剰な稼働を防ぐことが不可欠です。
空調機器は、室内の熱を外部へ排出し、室外機から放熱する仕組みです。この排熱効率を最大化することで電気代削減に繋がります。
そのためには室外機の吹き出し口周辺に障害物を置かないこと、および機器内部に埃などが付着した状態を避けることが重要です。フィルター、熱交換器、ファンといった主要部品の性能維持には、定期的な清掃およびオーバーホールが推奨されます。

もう一つは「屋外からの熱の影響を抑える」というアプローチです。

屋外からの熱の影響を抑える

夏季・冬季における建物への熱の流入出割合

建物の熱移動は、窓などの開口部、屋根、および外壁を通じて発生します。外部からの熱負荷が高い建物では、空調機器に継続的な高負荷がかかり、効率的な室温維持には非常に多くの電力を消費します。このような状況では、建物自体の断熱性能向上も視野に入れた対策が有効です。

窓ガラスへの遮熱コーティングは、効果的な対策の一つです。この技術は、可視光の透過性を維持しつつ、紫外線や熱線を効果的に遮断することで、外観を損なうことなく、快適性および空調効率の向上に寄与します。
大規模な改修を伴わないため、比較的導入のハードルも低いと言えます。
 
壁や屋根には、遮熱塗料や断熱塗料の活用が有効です。遮熱塗料は、太陽光の赤外線を反射することで、夏季における屋根や外壁の表面温度上昇を抑制し、結果として室温上昇の軽減に貢献します。一方、断熱塗料は、熱の伝導を低減する特性を持つため、夏季は外部からの熱侵入を、冬季は室内からの熱放出を抑制し、年間を通じて空調負荷の軽減に繋がります。

導入事例


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対策3:太陽光発電設備の導入

太陽光発電設備の導入による電気代削減対策

太陽光発電設備を導入することで、電力会社からの購入電力量を削減し、自社の電力自給率を高めることが可能です。
 
近年、屋根設置型太陽光発電設備の導入拡大が推進されており、2025年10月からは「初期投資支援スキーム」が適用されています。特に製造工場や物流倉庫など、電力消費量が大きく広い屋根を持つ施設では、高い費用対効果を見込むことができます。

現状は屋根設置型の導入が推進されている

従来のFIT制度では、電力の固定買取価格が年々下降する傾向にあり、投資回収期間の長期化が導入の障壁となっていました。これに対し、初期投資支援スキームでは、早期の投資回収を想定した調達価格・基準価格が設定されています。
 
導入から最初の5年間は19円/kWhという高単価での売電が可能です。これにより、短期間での収益確保が期待でき、資金回収計画の立案が容易になります。また、その後の15年間は8.3円/kWhでの売電が保証されます。

電源2025年度
(下半期)
2026年度2027年度
事業用太陽光発電
(屋根設置)
10kw以上
19円(~5年)
8.3円(6~20年)
19円(~5年)
8.3円(6~20年)
19円(~5年)
8.3円(6~20年)
※地上設置型の事業用太陽光発電は2027年度から支援対象外

導入事例

初期投資支援スキームにおける買取価格は、電気料金水準と同等、あるいはそれよりもわずかに低い価格に設定されています。このため、発電した電力は可能な限り自家消費に充てることが、最大限に活用するポイントとなります。

対策4:蓄電池の導入

蓄電池設備の導入による電気代削減対策

上記の通り太陽光発電設備で生成された電力は、自家消費することで最も経済的なメリットが得られます。この自家消費をより効率的に行うためには、蓄電池の導入が有効です。
蓄電池を併用することで、天候に左右されることなく再生可能エネルギーを活用できるようになり、企業のCSR活動の一環としても注目されています。また、災害発生時における長時間の停電に対応可能となるため、BCP(事業継続計画)対策を目的として太陽光発電設備と合わせて導入されているケースもあります。
 
高圧電力契約の企業においては、蓄電池を活用してピーク時の使用電力を賄うことで、電気料金の基本料金を削減できます。 
基本料金は、月間の電気使用量に関わらず、主に【契約電力】に基づいて算定されます。特に500kW未満の高圧電力契約では、契約電力が「実量制」によって決定されます。

デマンド値

基本料金は、月間の電気使用量に関わらず、主に【契約電力】に基づいて算定されます。特に500kW未満の高圧電力契約では、契約電力が「実量制」によって決定されます。
ここで基準となるのが、「過去1年間のピーク消費電力(デマンド値)」です。
デマンド値とは、「30分間における平均電力使用量」を指します。電力会社は30分ごとに平均使用電力量を計測し、その月の最も高いデマンド値が記録されます。そして、当月を含む直近12か月間のうち、最も高いデマンド値が契約電力の基準となります。
500kW以上の場合は「協議制」となり、最大デマンド値を基に、受電設備や負荷率などを考慮し、電力会社との協議によって契約電力が決定されます。
月間を通じて節電に努めても、短時間でもピーク消費電力が大きくなると、それが契約電力および基本料金の上昇に直結します。したがって、基本料金を抑制するためには、デマンド値を効果的に抑制することが重要です。

電気代の今後の見通し

ここまで施設・設備面の改善により電力消費量の削減策をご紹介してまいりました。では、今後の電気料金はどのように推移するのでしょうか。複数の要因から、引き続き企業経営への影響が懸念されます。

政府補助の終了

政府は物価高対策の一環として、冬2026年1月から3月までの冬季期間、一般家庭および企業を対象とした電気・ガス料金への補助を実施していました。しかし、2026年4月使用分からはこの補助が終了し、主要電力10社からは値上げが発表されています。

補助内容2026年1・2月使用分2026年3月使用分
低圧4.5円 / kWh1.5円/ kWh
高圧2.3円/ kWh0.8円/ kWh
2025年9月使用分までの補助内容

中東情勢の影響

電気料金は、火力発電の燃料費に大きく左右されます。燃料輸入価格の変動は、通常3~8か月遅れで電気料金に反映される仕組みです。特に中東情勢に起因するホルムズ海峡封鎖の懸念などによる燃料価格の高騰は、2026年6月以降の電気料金に影響を及ぼす見込みです。夏季は空調機器の利用により電力使用量が増加するため、大幅な負担増が懸念されます。

再エネ賦課金の値上がり

再エネ賦課金推移

「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」とは、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」によって電力会社等が買取りに要した費用を、電気の使用量に応じて、電気料金の一部として電気の使用者全体で負担するものです。
再エネ賦課金の単価は、経済産業省が特別措置法で規定した算定方法に基づき毎年決定されます。
2026年度は前年度からさらに値上がりし、過去最高となる4.18円となりました。2030年代前半まで上昇傾向が続くと予測されています。

まとめ

ここまで電気代削減に向けた4つの対策をご紹介してまいりました。
いずれも施設・設備面の改善により消費電力を抑え、中長期的に電気代コストの最適化を図るものです。建物の遮熱やLED化、太陽光発電設備の導入など、さまざまな対策をご紹介してまいりましたが、すべて朝日エティックで対応実績がございます
工事内容別に各施工会社へ依頼する手間やご負担を軽減し、安定した品質の施工によりお客様の電気代削減へ向けた施策をご支援します。導入をご検討中でしたら、是非一度当社へご相談ください。

▼関連事業
塗装工事
看板工事
電気・計装工事
LED照明器具


※参考
資源エネルギー庁
 夏季の省エネ・節電メニュー 事業者向けメニュー(本州・四国・九州版)
 冬季の省エネ・節電メニュー 事業者向けメニュー(本州・四国・九州版)
資源エネルギー庁 
 https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/kaitei_2023/
資源エネルギー庁HP 電気料金の仕組みについて
 https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/stracture/spec.html