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2025.04.08
# 省エネ# その他
企業向け電気代削減マニュアル【コストカットに効く4選】
日々多くの電気を消費する企業にとって、電気代削減は重要な課題です。「経費は減らしたい、でも業務に支障を出すわけには…」ほとんどの企業がそのようなジレンマを抱えています。中でも電気代は、単純に使用量を減らすだけでなく最適化によってコストカットが実現できる項目です。本記事では電気が多く使用される箇所を探り、削減に効果的な対策をご紹介してまいります。企業としてできる電気代削減対策を実施し、持続可能な経営を目指しましょう。
電気代削減を検討するには、まず「どこから手を付けるか」を考えなくてはなりません。
下図は「卸・小売店」「製造業」の夏季・冬季における電力消費の内訳を示した円グラフです。左が夏季、右が冬季となります。業務内容は大きく異なる2つですが、いずれも空調・照明だけでそれなりの割合を占めていることがわかります。一般的な設備のためどのような業種でも業務中にこれらを止めることはまずありません。空調・照明の電力消費がどれだけ効率化されているかによって、中長期的に経営に大きな差をもたらす可能性があります。
■卸・小売店の電気消費内訳
■製造業の電気消費内訳
出典:資源エネルギー庁
夏季の省エネメニュー 事業者向けメニュー(本州・四国・九州版)
冬季の省エネメニュー 事業者向けメニュー(本州・四国・九州版)
対策1:照明器具のLED化
LED化による電気代削減は非常に効果的です。蛍光灯と比較したとき、LEDは消費電力50%削減となります。
そのほかにも長寿命(蛍光灯の約4倍)で光源の発熱量も少ないといった特徴があり、維持管理コストの軽減、そして間接的に空調の稼働を軽減する効果も期待できます。
蛍光灯は2027年末に製造・輸出入禁止となってしまうため、今後駆け込み需要による価格高騰や工事日程の調整がつかなくなる事態も懸念されます。
LED化は早めに検討を進めることをお勧めします。
導入事例
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対策2:空調利用の最適化
余計な電力消費を防ぐには、空調機器が余計に稼働しないよう「排熱の効率を上げること」そして「屋外からの熱の影響を抑えること」が肝心です。
排熱の効率を上げるには、まず室外機のチェックから行いましょう。空調機器は室内の熱を外に運び出し室外機から熱を吐き出す仕組みです。吹き出し口周辺に空気の流れを妨げるような物は置かないようにし、風が強い日は埃や落ち葉などのごみが付着していた場合はこまめに取り除きます。
フィルター、熱交換器、ファンなどのエアコン内部の汚れ対策には定期的なオーバーホールが推奨されます。
屋外からの熱の影響を抑えるには、遮熱塗料や断熱塗料による建物の保護がお勧めです。
遮熱塗料は太陽光による熱を反射する働きがあります。熱くなった屋根や外壁の影響を受けると室内温度が上昇しますので、夏場の気温の上昇を抑えたい場合に適しています。
一方、断熱塗料には熱を伝わりにくくするという働きがあります。夏は屋内に熱を伝えにくく、冬は内側の熱を逃がさない機能も兼ね備えています。
大きな開口部がある施設はシートシャッターの設置も効果的です。スピーディな開閉で空気の移動を最小限に抑えることができます。さらに空調効率を高めつつエネルギー消費量を抑えるには、サーキュレーターを併用し空気循環させることも有効です。
導入事例
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対策3:太陽光発電設備の導入
太陽光発電設備を導入すれば、電気を自給自足し電力会社から購入する電気を少なくすることが可能です。
太陽光発電は全量売電型、余剰売電型、自家消費型の3つに分類できますが、現状は自家消費型が費用削減として効率的と言えます。
中でも消費電力が多く屋根が広い施設は、太陽光で発電した電力を余すことなく消費できるため自家消費型に向いています。工場やスーパー、冷蔵倉庫などが該当します。
屋根に設置する太陽光発電設備の導入拡大が重要視されていることから、2024年法人向け屋根区分の固定買取価格が新設され、さらに2026年度は「初期投資支援スキーム」に移行します。
これまでのFIT制度では、電力の固定買取価格が年々下降し投資回収期間が長期化する傾向にありました。これが太陽光発電設備の導入促進の妨げになっていることを受け、早期の投資回収を想定した調達価格・基準価格となります。
電源 | 規模 | 2023年度 (下半期) | 2024年度 | 2025年度 (上半期) | 2025年度 (下半期) | 2026年度 |
事業用太陽光発電 (地上設置) | 10kw以上 50kw未満 | 10円 | 10円 | 10円 | 10円 | 9.9円 |
事業用太陽光発電 (地上設置) | 50kw以上 入札対象外 | 9.5円 | 9.2円 | 8.9円 | 8.9円 | 8.6円 |
事業用太陽光発電 (屋根設置) | 10kw以上 | 12円 | 12円 | 11.5円 | 初期投資 支援スキーム | 初期投資 支援スキーム |
導入事例
電気代削減対策4:蓄電池の導入
太陽光発電による電力を効率的に使用するには蓄電池の導入が有効です。天候に左右されることなく再生可能エネルギーが活用できるためCSR活動の一環としても注目されています。災害時などは長時間に及ぶ停電にも対応できるようになるため、BCP対策を目的として太陽光発電設備と併用して導入している企業もあります。
高圧電力契約の場合は、ピーク時の使用電力を蓄電地から賄うことで電気料金のうち基本料金を抑えることに繋がります。
基本料金は月々の電気使用量に関わらず、主に【契約電力】によって計算方法が変わります。500kw未満の高圧電力の場合、契約電力は実量制によって算出されます。
契約電力 | 高圧電力 (50~500kw) | 高圧電力 (500~2000kw) | 特別高圧電力 (2000kw以上) |
契約電力の計算方法 | 実量制 | 協議制 | 協議制 |
ここで基準となるのは「過去1年間のピーク消費電力(デマンド値)」です。
デマンド値とは、「30分間のうちに消費された電力の平均値」のことを言います。30分ごとの平均使用電力量を計測し、1ヶ月のうち最も電気使用量の多かった時間帯の数値がその月のデマンド値としてカウントされます。そして当月を含む直近12か月のうち最も高いデマンド値が契約電力の基準となるのです。
500kw以上の場合は協議制となりますが、その場合も最大デマンド値がベースとなり、そのほかに受電設備や負荷率などを踏まえながら電力会社と協議し契約電力を決定します。
1ヶ月全体を通して節電に取り組んでも、ピーク消費電力が大きくなる30分があると契約電力と基本料金が上がってしまうため、基本料金を抑えるにはデマンド値を抑えることが重要になります。
電気代の今後の見通し
さて、ここまで施設・設備面の改善により消費電力を抑える方法をご紹介してまいりましたが、実際今後の電気料金はどうなっていくのでしょうか。2025年3月、4月ともに値上がりの傾向を見せてきましたが、2025年5月も値上がりの見通しとなっています。主な要因は以下の2つが挙げられます。
「電気・ガス料金負担軽減支援事業補助金」の終了
2025年1月使用分~3月使用分の電気料金は政府補助の対象となっておりましたが、3月使用分をもって終了となります。
補助内容 | 2025年1・2月使用分 | 2025年3月使用分 |
低圧 | 2.5円 / kWh | 1.3円/ kWh |
高圧 | 1.3円/ kWh | 0.7円/ kWh |
再エネ賦課金の値上がり
「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」とは、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」によって電力会社等が買取りに要した費用を、電気の使用量に応じて、電気料金の一部として電気消費者が支払うものです。法人・個人に関わらずすべての電気消費者が支払っています。
再エネ賦課金の単価は、経済産業省が特別措置法で規定した算定方法に基づき毎年決定されます。
2025年度は前年度から更に値上がりし、3.98円となりました。この金額は4月使用分から適用されるため、5月請求分から値上がりとなります。
まとめ
ここまで電気代削減に向けた4つの対策をご紹介してまいりました。いずれも施設・設備面の改善により消費電力を抑える方法です。
建物の塗装やLED化、太陽光発電設備の導入など、さまざまな対策をご紹介してまいりましたが、すべて朝日エティックで対応実績がございます。工事内容別に各施工会社へ依頼する手間やご負担を軽減し、安定した品質の施工によりお客様の電気代削減へ向けた施策をご支援します。導入をご検討中の方は是非一度当社へご相談ください。
▼関連事業
塗装工事
看板工事
電気・計装工事
LED照明器具
※参考
資源エネルギー庁
夏季の省エネ・節電メニュー 事業者向けメニュー(本州・四国・九州版)
冬季の省エネ・節電メニュー 事業者向けメニュー(本州・四国・九州版)
資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/kaitei_2023/
資源エネルギー庁HP 電気料金の仕組みについて
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/stracture/spec.html
経済産業省HP
https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230324004/20230324004.html