特集

2021.06.17

# その他

沢山見られている店舗看板には、実はデザインの秘密が隠されています。

店舗の看板には、ブランドや商品・サービスなどのメッセージをお伝えする大切な役割があります。また店舗の顔として最初に目につくものであり、看板の第一印象が店舗自体の印象になり得ます。印象をアップさせることはもちろん、メッセージを正確かつ効率よく伝えるために、デザインのポイントを紹介いたします。

不特定多数の人が見る看板は、文字の大きさや種類、配色やレイアウトなど、誰にとっても見やすいデザインを心掛けなければいけません。さらに数ある看板の中から自社をアピールしようと、沢山の内容を盛り込んでしまうと、情報過多で逆に伝わりづらくなってしまいます。一番伝えたい内容ほど、明瞭・簡潔な表現にとどめることが大切です。

人が短時間で覚えられる量には限界がある

普段道を歩いていると、ありとあらゆる看板が目に飛び込んでくるかと思います。私たちはその中から自分が求めている・興味がある対象を瞬間的に把握し見ています。
では、その瞬間的というのはどれくらいなのでしょうか。人の目は常にせわしなく動いていますが、1箇所に滞留するのは約0.3秒と言われています。日本語で言うと最大15文字程度です。
つまり情報発信側は、その短い時間の中でいかに興味をもってもらえるかを念頭においてデザインする必要があります。

自動車・歩行者が見ている範囲

看板の用途によって文字の大きさも使い分けないと、看板本来の役割を果たせないことがあります。誰に向けてアピールしようとしているのか、どんな状況で見るのかによって、看板の種類やサイズも変わってきます。
例えば当社で製作している看板の中で、ガソリンスタンド様が多く使用されているポール看板があります。一般的に車から読める文字の大きさは交通標識の基準を目安に、走行速度40km道路において、80m手前で20cm程度と言われております。通過しながら読む目的であればこのくらいで問題ないかと思いますが、ドライブスルーなど来店して欲しい場合には、これ以上のサイズが求められます。歩行者を対象とする場合は視力を低く設定しなければならず、さらに大きな文字が必要となります。一例ですが、60cm程度の近距離で見る地図などの場合で4mm、1.5m程度の距離から見る案内板などでは最低1cmはないと判読は厳しくなります。
当社では「どの位置に設置すればよく見えるか」という点について、手前(50m、100m、150m)から現場を見た時の合成写真を作成し、完成した時のイメージを事前に確認しています。このように、実際に完成した後に、見えづらかった・印象と違ったという事態を防いでいます。

審美性・景観性(造形的な魅力・景観との調和)

美しく魅力あるデザインであることはもちろん、看板が設置される場所・背景など、その環境に調和していることが大切です。単純に目立つ看板が良いということではなく、空間・店舗に馴染んだものでなければ価値が半減してしまいます。

景観を構成する要素

景観は主に「自然」・「建造物」・「ストリートファニチャー」・「交通」・「人」で構成され、その中に「看板(屋外広告物)」も含まれます。これらが互いに関係しあいながら、景観を作り出しているのです。もしこの中から「看板(屋外広告物)」だけ主張が強いものになってしまうと、その他背景となるものと差が生じ、景観全体の印象を変えてしまう恐れがあります。配色や形・サイズなど、どのような看板がどのように配置されているのがふさわしいのか、その地域の特性を理解したうえで看板の個性を引き出していきましょう。

看板(屋外広告物)の種類

「看板(屋外広告物)」も景観を構成する1つとお伝えしてきましたが、看板にもさまざまな種類があります。街中でよく見かける看板の一例をご紹介いたします。

■袖看板(突出看板)
建物の壁面から突き出している看板。階層が上の店舗でもこの看板によって見つけてもらいやすくなる。
■壁面看板
入口付近に設置されているファサード看板や、遠くからでも見えるよう間口に応じて大きく設ける看板。ファサード看板は入口に設けられていることが多いことから、お店の顔という役割も持つ。デザインやイメージによっては、入りやすさ・印象に関わってくるため、より注意が必要。
■建植看板
ポール看板や自立看板、野立看板などがある。ガソリンスタンドやドライブスルーなどでよく使われるポール看板は、小型タイプのものから、遠くからでも見えるよう10~15m近い大型タイプもある。広告や案内板のような誘導、注意を促す標識のような役割がある野立看板は、歩行者だけでなく、駐車場など車輌に向けて設置されているのもよく見かける。
■屋上看板
建物の最上部に設置される看板。遠方からでも見えるようサイズも大きくとても存在感がある。地上からでも読める文字の大きさや配色、大きい看板だからこそより景観に調和するよう配慮が必要。

屋外広告物の規制

看板(屋外広告物)には地域によっては厳しい条例があり、看板の配色についても規則が定められています。某チェーンストアの有名なコーポレートカラーも、規則に合わせてしっかり変更しています。関係者が、その立地に応じた適切な対応をすることで景観全体の調和を守っているのです。こういった観点からも、集客できる看板であると同時に規則を守りつつ環境にあった看板が求められているのがわかります。

経済性(つくりやすさ・最適な選択と組み合わせ)

ここでいう経済性とは、単純な製作コストのことではなく、最も適切な技術や材料を用いるという意味です。屋外広告物の製作に使用されている素材でプラスチック材がありますが、汎用性もあり加工性に優れているためよく使われています。当社はプラスチック成形加工の経験も豊富で、高度な技術で加工難度の高い素材でも自在に成形可能です。競合他社との差別化ができる美しく効果的な看板製作は当社にお任せください。

1. 看板(屋外広告物)でよく使われるプラスチック素材例
プラスチックは金属などよりも軽く、成形することで立体的な表現も可能となり、看板製作でよく使われています。電気や熱の絶縁性に優れ、着色も比較的容易で、劣化こそしますが錆びたり腐食したりすることもありません。

■アクリル板
対候性・透明度・硬度が高い。静電気防止剤などを塗布し、汚れが付きにくくするのがポイント。
■塩化ビニール樹脂
アクリルに比べて柔軟性があるが光沢はあまり無い。耐薬品性・難燃性・電気絶縁性・耐候性・透明性はあるが傷が付きやすい。
■ポリカーボネイト
難燃性・耐衝撃性・耐熱寒性・透明性がある。消防法により難燃性が要求されるガソリンスタンドのキャノピーなどではよく使われている。
■ABS樹脂
切文字や箱文字として用いられる。耐熱性・成形性がある。

まとめ

店舗の看板は、設置する場所や表現できる内容が限定されているため、より簡潔に情報を伝える必要があります。「誰もが読める=受け手への配慮」が看板デザインにとって何よりも大切です。
当社は看板工事に関わる全てのサービスをワンストップで提供いたします。また主要4事業所を一級建築士事務所として登録しており、必要に応じて現地調査を実施し、法規制等を確認した上で、デザインプランを提案させていただきます。60 年以上に渡る実績、高い技術力や全国ネットワーク、今まで培ってきた知識と経験を駆使し、あらゆるご要望にお応えいたします。まずはお気軽にご相談ください。

※参考文献:屋外広告の知識 第四次改訂版(デザイン編) 発行:株式会社ぎょうせい